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- ローマG7(2/14):共同声明では政策総動員、保護主義排除をコミット
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■introduction
・オバマ政権にとって初めてのG7
7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が2月14日イタリア・ローマで開かれた。
米国がオバマに政権に交代してから始めての会合。オバマが打ち出した景気対策、金融安定化策への評価、強まる保護主義、国際金融機関の改革問題などが話し合われた。
声明文では、各国は「成長と雇用の支援および金融セクターの強化に向け、あらゆる政策手段を用いて共に行動する」ことで一致し、内需拡大や雇用創出に向けて財政政策を前倒しで迅速に実行することで合意した。
また先週米国の景気対策で盛り込まれた「バイアメリカン条項」でさらに懸念が高まった保護貿易主義の流れについて「G7は、経済の減速を加速させるだけの保護主義的な施策を回避し、新たな貿易障壁の導入を控え、ドーハ・ラウンドの迅速かつ野心的な妥結に向けて取り組むことに、引き続きコミットする」とした。
共同声明の内容を見ると、これから成長が見込まれる「中国の財政支出を歓迎」とG7以外の特定の国に言及したのは異例で、サプライズだったが、その他については各国が巨額の財政支出を打ち出した後で新味がなく、予想の範囲内の内容だったと言っていいだろう。
ここ何回かのG7で感じることだが、大きな時代の流れではG7で「何か」を決め世界経済・金融をコントロールするという役割は大きく低下している。G7よりは4月のG20のほうが現実的な枠組みで、保護主義政策、金融機関の改革問題などがG20の枠組みで同じようにコミットされ、さらに実効性が確保されると思えるような内容になるのか注目だ。
(2009年02月16日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1837
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
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