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- 7月決定会合・白川総裁会見:交易条件の悪化が景気・物価見通しの修正理由
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■見出し
・4月展望レポートから景気下振れ・物価上振れ、ただし回復シナリオは維持
・会見:交易条件の悪化が景気・物価見通しの修正理由
・金融経済月報での景気全体と個別判断の変化
■introduction
日銀は15日、現行の金融政策維持を全員一致で決定した。
今回から新たに「当面の経済・物価情勢と金融政策運営について」という声明が決定会合後に発表されることになった。
声明によると、景気については「エネルギー・原材料価格高を背景に、設備投資や個人消費の伸びが鈍化するなど、さらに減速している」と下方修正を行った。また物価については上方修正された。
白川総裁は会見で「4月の見通しに比べ、原材料価格が一段と上昇し、これが経済・物価の両面に表れている」と述べ、さらなる交易条件の悪化が景気・物価見通しの修正理由であるとの認識を示した。
ただし、先行きの景気については「当面減速が続くものの、その後次第に緩やかな成長経路に復していくと予想される」、また物価については、「先行きは当面、上昇率がやや高まった後、徐々に低下していくと予想される」と回復シナリオは維持されるとの見方を示した。
今回から四半期ごとに公表されるようになった政策委員の見通し、リスク・バランス・チャートでも同様の認識が示されている。GDP成長率が4月時点に比べ2008年度と09年度ともに下方修正される一方、コアCPI上昇率は08年度、09年度ともに上方修正されている。
日銀としては当面、景気下振れ、物価上振れの両リスクを睨みながら現状維持を続けざるを得ないだろう。
なお今回新たに示された情報発信の強化策は以下の4点。
(1) 会合終了後に金融政策運営の「2つの柱」に基づく点検結果を公表
(2) 展望レポートの見通し期間を延長(10月のレポートでは2010年度まで見通し公表)
(3) 政策委員の見通し計数、リスク・バランス・チャートを四半期ごとに公表
(4) 議事要旨を次回会合で承認の上公表
今後毎月の決定会合後には、「当面の経済・物価情勢と金融政策運営について」の声明が公表され、四半期に一回、政策委員の見通しとリスク・バランス・チャートが公表されることとなる。
(2008年07月16日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1837
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
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