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- 鉱工業生産07年8月~7-9月期は大幅増産の公算
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■見出し
・生産指数は2ヵ月ぶりの上昇
・電子部品・デバイスの在庫調整が大きく進展
■introduction
経済産業省が9月28日に公表した鉱工業指数によると、8月の鉱工業生産指数は前月比3.4%と2ヵ月ぶりに上昇し、ほぼ市場の事前予想通り(ロイター集計:前月比3.2%、当社予想は2.8%)となった。出荷指数は、前月比4.3%と2ヵ月ぶりの上昇、在庫指数は前月比0.3%と4ヵ月ぶりの上昇となった。
新潟県中越地震の影響で、7月に前月比▲7.2%の大幅低下となった輸送機械が、その反動もあって同15.7%と急上昇したことが生産指数上昇の最大の要因である。7月の生産指数は、自動車減産の影響で1%強押し下げられたが、8月は逆に2%程度の押し上げ要因となった。
その他の業種についても、在庫高止まりが懸念されている電子部品・デバイスが前月比2.5%、パソコンなどの大幅増産が目立つ情報通信機械が同5.0%と高い伸びとなるなど、速報段階で公表される16業種中、11業種が前月比で上昇した。自動車の反動増による影響を除いて考えても、生産は上昇しており、総じて良好な内容となった。
設備投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は7月の前月比5.4%の後、8月は同0.8%となり、7、8月の平均は4-6月期よりも4.4%高い水準となった。4-6月期の設備投資(GDP統計)は、前期比▲1.2%の減少となったが、7-9月期は明確な増加に転じる可能性が高いと考えられる。
なお、8月の生産指数は118.8(2000年=100、季節調整値)となり、直近のピークであった2006年12月の109.6を上回った。昨年末頃をピークにすでに景気が後退局面に入っているとの見方も一部にあったが、その可能性はほぼなくなったと見てよいだろう。
(2007年09月28日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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