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■目次
1.保険料収入で見た世界の生命保険市場
2. 保険料と保障額でみた市場構造
3. 貯蓄商品の可能性
■introduction
生命保険料収入世界合計の動き
伸び悩む日本の生命保険料収入を尻目に、世界の生命保険料収入合計額は、90年代、着実に増加してきた。世界的に見れば生命保険は成長産業である。高齢化の進展と財政窮乏に伴う社会保障の見直し等を受け、自助努力による将来保障の必要性が認識されたことが背景にある。
一方、損害保険料収入は伸び悩みぎみである。このため損保会社が生保事業に参入しようとする傾向が見られる。
ただし2001年の世界の生命保険料合計額は前年より減少した。主たる原因は主要国の株価低迷である。欧米主要国の生保市場では、変額保険、変額年金等の投資型商品が主力商品としての地位を占めるようになっている。このため、株価が好調な時期には大量の資金が生保に流入し、株価の低迷とともに資金流入額がしぼむという構造となっている。
なお本稿では、生命保険料収入額については、スイス再保険会社が毎年発表しているデータを使用している。日本の生命保険料には簡易保険・JA共済等が含まれている。ドル換算の保険料であるため為替変動の影響を受ける等の問題はあるが、統計の連続性があり、重要な指標を与えてくれるデータとなっている。
(2003年03月25日「基礎研マンスリー」)
松岡 博司のレポート
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