2024年04月26日

EUのDMA関連調査開始決定-GAFAそれぞれの問題を指摘

保険研究部 専務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長 松澤 登

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■要旨

2023年に施行されたDigital Market Act(DMA)に基づいて指定された6社のGate Keeper(GK、巨大なプラットフォームを運営する事業者)のうち、4社(Alphabet(Google), Apple, Facebook(Meta)について、DMA違反行為の嫌疑があるとして2024年3月から調査が開始された。
 
まず、AlphabetとAppleはそのスマートフォンのアプリストアで配布したアプリのコンテンツについて、アプリ外で購入することを妨害しているのではないかとの調査が行われる。
 
つぎに、Alphabetの一般検索サービスであるGoogle検索において、自社の川上の検索サービスの検索結果を優遇して表示しているのではないかとの調査が行われる。
 
そして、Appleについて、スマートフォンのデフォルトで設定されているアプリを他のアプリに変更できるようにすることを容易に可能にすることを許容していないのではないかとの調査が行われる。
 
最後にFacebook(Meta)、について個人情報を利用しない選択をするのであれば、金銭を支払うという個人情報取得同意手法について、同意が正当に取得されていないのではないかとの調査が行われる。
 
このほか、Amazonに対しても情報収集が行われるなどの動きがある。

■目次

1――はじめに
2――不遵守調査の対象
  1|AlphabetとAppleの誘導ルール(Steering rules)
  2|Alphabetの自己優遇防止措置
  3|Appleの利用者選択義務
  4|Metaの”pay or consent”
  5|その他の情報収集事案
3――おわりにかえて
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保険研究部   専務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
保険業法・保険法|企業法務

経歴
  • 【職歴】
     1985年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所 内部監査室長兼システム部長
     2015年4月 生活研究部部長兼システム部長
     2018年4月 取締役保険研究部研究理事
     2021年4月 常務取締役保険研究部研究理事
     2024年4月より現職

    【加入団体等】
     東京大学法学部(学士)、ハーバードロースクール(LLM:修士)
     東京大学経済学部非常勤講師(2022年度・2023年度)
     大阪経済大学非常勤講師(2018年度~2022年度)
     金融審議会専門委員(2004年7月~2008年7月)
     日本保険学会理事、生命保険経営学会常務理事 等

    【著書】
     『はじめて学ぶ少額短期保険』
      出版社:保険毎日新聞社
      発行年月:2024年02月

     『Q&Aで読み解く保険業法』
      出版社:保険毎日新聞社
      発行年月:2022年07月

     『はじめて学ぶ生命保険』
      出版社:保険毎日新聞社
      発行年月:2021年05月

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レポート紹介

【EUのDMA関連調査開始決定-GAFAそれぞれの問題を指摘】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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