- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 経済見通しはどのくらいはずれるのか
2010年12月17日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 2010年7-9月期のGDP2次速報を受けて民間調査機関が発表した経済見通しによれば、実質GDP成長率の予測値(平均)は2010年度が3.2%、2011年度が1.4%となっている(QUICK社調べ)。しかし、経済見通しの予測精度はそれほど高いものではない。
- 1980年度から2009年度までの30年間の実質GDP成長率の予測値(前年12月時点)と実績値との乖離は平均で1.4%(平均絶対誤差)となっており、30年のうち16回は実績値が予測レンジ(予測値の最大値~最小値)からもはずれている。
- 景気回復局面では実績値は予測値から上振れ、景気後退局面では実績値は予測値から下振れる傾向がある。予測誤差の平均値は景気回復局面で+1.0%、景気後退局面で▲1.7%である。
- 2011年度の予測値は最大が2.2%、最小が0.3%となっているが、実績値がこのレンジ内におさまる可能性は必ずしも高くない。景気が足もとの足踏み状態を脱し、再び回復軌道にのった場合には2011年度の成長率は現時点で最も楽観的な見通しよりも上振れる可能性が高くなるだろう。一方、景気が後退局面入りした場合には、最も悲観的な見通しをさらに下回り、2年ぶりのマイナス成長となることも十分考えられる。

(2010年12月17日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/02 | 雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/30 | 2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | 消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月08日
フィリピン経済:25年1-3月期の成長率は前年同期比5.4%増~中間選挙を控えた支出拡大で成長率上昇 -
2025年05月08日
原油安に拍車をかけるOPECプラス~トランプ関税の行方に影響も -
2025年05月08日
米FOMC(25年5月)-予想通り、3会合連続で政策金利を据え置き。当面は様子見姿勢を継続へ -
2025年05月08日
AI半導体関連銘柄を取り巻く環境 -
2025年05月08日
投資部門別売買動向(25年4月)~海外投資家・個人ともに売り越すなか事業法人が買い越し~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【経済見通しはどのくらいはずれるのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
経済見通しはどのくらいはずれるのかのレポート Topへ