2018年03月23日

シルバー民主主義と若者世代~超高齢社会における1人1票の限界~

総合政策研究部 研究員・経済研究部兼任   清水 仁志

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■要旨

シルバー民主主義とは一般に「高齢者優遇の政治により必要な改革が阻止される現象」と定義される。日本では、シルバー民主主義により高齢者に切り込むことができない中、社会保障費の増大等で財政は悪化の一途と辿り、若者の将来不安を助長していると指摘されている。

一方で、選挙は民主主義の基本理念である「1人1票」と「多数決」の原則に則り実施されるため、少子高齢化が進む日本では、高齢者重視の政策に偏りがちにならざるを得ない。
日本の将来を担う若者の先行き不安を払拭するためには、今後の社会保障制度を明確に示す必要がある。本稿では、社会保障制度改革を阻害するシルバー民主主義を一刻も早く解消することが必要であるという見地から選挙制度の在り方に焦点をあて、解決策を模索する。
 
シルバー民主主義を引き起こす大きな要因として、「有権者の高齢化」、「若者ほど低い投票率」がある。筆者はシルバー民主主義の解決策として、若者の投票率を上げることに加え、人口比で劣勢に立つ若者の1票の価値を高める「選挙制度改革」が必要であると考える。特に、有権者の高齢化が深刻な日本においては、もはや1人1票では世代間の政治的プレゼンスの公平性は維持できない。

将来に責任ある政治にするためにも、今こそ抜本的な選挙制度改革に向けた議論を行うべきではないか。

■目次

1――はじめに
2――国際比較でみた日本の高齢者優遇
3――シルバー民主主義の環境要因
  1|有権者の高齢化
  2|世代間の投票率格差:若者ほど低い投票率
  3|選挙制度:小選挙区制による選挙バイアス
  4|選挙制度:多数決投票における中位投票者定理
4――高齢化によるシルバー民主主義の確認(推定モデルによる検証)
5――シルバー民主主義の台頭で埋没する現役/若者世代
  1|世代間の政策志向の違いと若者への影響
  2|選挙権年齢の18歳に引き下げによる影響は限定的
6――シルバー民主主義解決に向けて
  1|高齢者と若者の投票率の差の縮小
  2|選挙制度改革
7――おわりに
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総合政策研究部   研究員・経済研究部兼任

清水 仁志 (しみず ひとし)

研究・専門分野
日本経済

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