2017年09月29日

中国経済:景気指標の総点検(2017年秋季号)~党大会前の現状確認と開催中に公表のGDP予想

経済研究部 上席研究員   三尾 幸吉郎

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■要旨
  1. 最近の金融マーケットを概観すると、株価は景気の持ち直しと世界的な株高を背景にじり高、人民元は基準値設定方法の変更やユーロ高を受けて反転上昇、住宅価格はその勢いこそ鈍化したものの上昇を続けている。そして、中国人民銀行は金融を引き締め方向に調整し始めた。
     
  2. 供給面を点検すると、ここもとの工業生産は4-6月期の伸びを0.9ポイント下回っており、9月の動きは未反映だが7-9月期の成長率は前四半期を下回る可能性がある。但し、製造業PMIは4-6月期の平均(51.4%)を上回って推移、工業生産が落ち込んだ割に堅調である。
     
  3. 需要面を点検すると、個人消費は4-6月期の伸びを小幅ながら下回っており、7-9月期の成長率を若干押し下げる可能性がある。また、投資は4-6月期の伸びを大きく下回って推移しており、7-9月期の成長率を大きく押し下げる可能性がある。なお、生産の動向を左右する輸出額(ドルベース)も4-6月期の伸びを下回って推移している。
     
  4. その他の重要指標を点検すると、貨物輸送量は高い伸びを維持しているものの、電力消費量の伸びは鈍化、特に工業部門の伸び鈍化が目立つ。なお、通貨供給量(M2)の伸びが鈍化しているが、銀行は預貸率を引き上げており、銀行貸出残高は高い伸びを維持している。
     
  5. 景気指標を複数組み合わせた総合指標を点検すると、景気が上向きか下向きかを見極める上で有効な「景気評価点」は“減速”を示唆(下左図)、株価急落時に注目を集めた「李克強指数」は高水準で横ばいの動きとなっている。また、ニッセイ基礎研究所で開発した回帰モデルを用いて推計したところ、10月19日に公表される7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比6.7%増と、4-6月期の同6.9%増を0.2ポイント下回る推計結果となった(下右図)。
最近の景気動向(景気評価点-5点)/中国の実質GDP成長率(予測と実績)
■目次

1.最近の金融マーケット
2.景気10指標の点検
  1|供給面の3指標
  2|需要面の3指標
  3|その他の重要な4指標
3.総合指標の点検
  1|「景気評価点」は景気の減速を示唆
  2|「李克強指数」は高水準で横ばい
  3|実質成長率に換算すれば6.7%へ減速!
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経済研究部   上席研究員

三尾 幸吉郎 (みお こうきちろう)

研究・専門分野
中国経済

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