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- 人間の直感の不確実性-数学的な正しさと乖離している場合があることを知っていますか
2016年11月09日
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1―はじめに
人間の直感が非常に役に立つことは理解されるが、時として、この直感が数学的には正しくないことがあることは有名な話である。
2――誕生日のパラドックス
となる。n=23の場合に、この数値は0.507となって50%を超える。
同じ考え方により、41人の人がいれば、90%以上の確率で、70人の人がいれば、99.9%以上の確率で、誕生日が同じ人がいることになる。これは、直感的には驚くべきことのように思われるのではないか。
これが「パラドックス」と呼ばれるのは、論理的な矛盾がある、という意味ではなく、あくまでも、一般的な直感に反している、という意味で、このように称されている。
一方で、この数値を100%にするには、当然のことながら、366人(うるう年も考慮すれば、367人)必要ということになる。このように、100%を追求することは極めて難しい、わずか0.1%のために5倍以上の人が必要になってくる。
同じ考え方により、41人の人がいれば、90%以上の確率で、70人の人がいれば、99.9%以上の確率で、誕生日が同じ人がいることになる。これは、直感的には驚くべきことのように思われるのではないか。
これが「パラドックス」と呼ばれるのは、論理的な矛盾がある、という意味ではなく、あくまでも、一般的な直感に反している、という意味で、このように称されている。
一方で、この数値を100%にするには、当然のことながら、366人(うるう年も考慮すれば、367人)必要ということになる。このように、100%を追求することは極めて難しい、わずか0.1%のために5倍以上の人が必要になってくる。
3――誕生日問題
となる。23人の場合にはわずか6%であり、50%を超えるためには、253人いなければならなくなる。さらに、99%以上の確率となるためには、1,679人、99.9%以上の確率となるためには2,518人いなければならない。
この誕生日のパラドックスは情報科学において様々に応用されており、代表的なものでは、ハッシュテーブルというデータ構造におけるテーブルの大きさを決めるのに利用されている。
この誕生日のパラドックスは情報科学において様々に応用されており、代表的なものでは、ハッシュテーブルというデータ構造におけるテーブルの大きさを決めるのに利用されている。
4――具体例
5――直感力を養うことの重要性
このように、人間の直感は、結構当てにならないことがわかる。
物事を進めていく上で、過去の経験等に基づいた直感を働かせることはもちろん重要なことであるが、時として、その直感が誤ったものとなっていることがある。
こうした直感は、経験を積むことで、感度を高め、磨きをかけていくことが可能だと思われる。その意味では、いろいろなケースを学ぶことを通じて、知識を充実させていくことが、いざという時に役立つ、適切な直感力を発揮する上でも、重要なことであると、改めて感じさせられる。
物事を進めていく上で、過去の経験等に基づいた直感を働かせることはもちろん重要なことであるが、時として、その直感が誤ったものとなっていることがある。
こうした直感は、経験を積むことで、感度を高め、磨きをかけていくことが可能だと思われる。その意味では、いろいろなケースを学ぶことを通じて、知識を充実させていくことが、いざという時に役立つ、適切な直感力を発揮する上でも、重要なことであると、改めて感じさせられる。
(2016年11月09日「基礎研マンスリー」)
中村 亮一のレポート
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