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鉱工業生産16年9月~7-9月期の生産は伸びが加速も、10-12月期は減速へ
経済研究部 経済調査室長・総合政策研究部兼任 斎藤 太郎
1.7-9月の生産は前期比1.1%
9月の生産を業種別に見ると、輸出の持ち直しなどから輸送機械(前月比2.6%)、はん用・生産用・業務用機械(前月比3.7%)は比較的高い伸びとなったが、情報通信機械が前月比▲11.8%と急速に落ち込んだことが生産全体を大きく押し下げた。速報段階で公表される15業種中7業種が前月比で上昇、8業種が低下した。
16年7-9月期の生産は前期比1.1%と2四半期連続で上昇し、4-6月期の同0.2%から伸びが加速した。業種別には、新型スマートフォン関連需要で電子部品・デバイスが前期比4.6%の高い伸びとなったほか、熊本地震からの挽回生産などから輸送機械が前期比1.5%と2四半期連続の増産となった。
2.10-12月期の増産ペースは鈍化する見込み
予測指数を業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械(10月:前月比3.4%、11月:同4.9%)、電子部品・デバイス(10月:前月比6.3%、11月:同4.8%)、情報通信機械(10月:前月比7.2%、11月:同0.2%)が強めの計画となっているが、これらの業種はいずれも生産計画が大幅に下方修正される傾向があるため、実際の生産の伸びは予測指数を明確に下回る可能性が高い。
在庫循環図を確認すると、15年10-12月期から3四半期続いた「在庫調整局面」から16年7-9月期は「意図せざる在庫減少局面」に移行した。出荷指数の前年比マイナス幅が縮小する一方、在庫指数が前年比▲2.0%と10四半期ぶりにマイナスに転じた。ペースは鈍いものの、在庫調整が一定程度進捗してきたことは生産の先行きを見る上で明るい材料と言えるだろう。
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03-3512-1836
(2016年10月31日「経済・金融フラッシュ」)
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