2016年08月10日

米国生保業界における2015年のM&A動向-日中の生保会社によるM&A、非伝統的な買収者の活動-

保険研究部 主任研究員   松岡 博司

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■要旨

2015年の米国生保会社が関連するM&Aは、17件、118億ドル。

2014年と比較すると、件数が10件から17件に、取引規模も78億ドルから118億ドルに増加した。

日中の生保会社による活発なM&Aが2015年の特徴。上位4案件が日中の生保会社が仕掛けた買収案件である。

プライベート・エクイティー会社、ヘッジファンド、再保険会社といった非伝統的な買収者が多くの案件に関与している。その背景には、保険会社による事業閉鎖、ランオフの動きがある。

■目次

1――米国における生命保険会社M&Aの件数、取引規模
2――米国における2015年の生命保険会社M&Aの特徴
  (1)日中の生保会社による活発なM&A
  (2)非伝統的買収者の登場と事業閉鎖、ランオフ
さいごに
 

 
米国生保市場は、2015年末現在、779の事業者が活動する巨大なマーケットである(米国生保協会(ACLI)の”2016 Preliminary Fact Book”より)。元々は2,000に迫る事業者が存在した市場で、M&A等を通じて、業界の統合が進行してきた。

本稿では、米国の調査会社であるコニング社の報告書”Global Insurer Mergers&Acquisitions in 2015 The Big Bang”を主な情報源として、2015年の米国生保市場におけるM&Aの動向をまとめる。
 

1――米国における生命保険会社M&Aの件数、取引規模

1――米国における生命保険会社M&Aの件数、取引規模

グラフ1は、コニング社の統計データから作成した1990年~2015年の、米国生保会社が買収者または被買収社として登場するM&A案件の件数と取引規模の推移である。

2015年の米国生保会社が関連するM&Aは、17件、118億ドルとなっている。2014年と比較すると、件数が10件から17件に、取引規模も78億ドルから118億ドルに増加した。
グラフⅠ 米国における生命保険会社M&A案件の推移
1990年からの推移を見ても、取引金額についてはたまたま大型の案件があった年に取引額が大きく膨らむという状況であるので、明確な長期トレンドを読み取ることは難しい。一方、件数については、90年代後半の方が2000年代よりも案件数が多い、2000年以降は米国市場といえども各年のM&A件数は概ね20件から30件の範囲に収まっている、といったトレンドが見て取れる。
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保険研究部   主任研究員

松岡 博司 (まつおか ひろし)

研究・専門分野
生保経営・生保制度(生保販売チャネル・バンカシュランス等、主に日本生命委託事項を中心とする研究)

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