2016年04月22日

米国製造業の動向-製造業の不振も、米国のリセッションに繋がる可能性は低い

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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■要旨
  1. 米国製造業は、一部自動車関連の生産が好調を維持しているものの、原油価格の下落に伴い、資源関連の生産や設備投資が落込むなど、全体でみれば生産や設備投資が減速している。
     
  2. 米国製造業の企業収益の落ち込みが、米国内企業減益の大宗を占めているほか、米国の好調な労働市場の中で、建設業を除く製造業の回復が遅れており、製造業の不振が目立つ。
     
  3. 米国の財輸出、鉱工業生産を世界市場と比較すると、相対的に伸びが鈍化しており、ドル高により輸出競争力が低下している可能性が高い。
     
  4. 米国製造業の減速に伴い、米経済がリセッションに陥るとの懸念があるが、過去の景気サイクルと鉱工業生産指数の動きをみると、必ずしもリセッションを誘発するとまでは言えない。さらに、米国経済における製造業の重要性は低下しており、リセッション懸念は行き過ぎ。
     
  5. 米製造業の見通しについては、本格回復が見通せない中、足元では原油安とドル高是正の動きがみられており、短期的には回復する可能性。しかしながら、将来的なドル高基調の持続が見込まれることから、米国製造業の回復は世界市場の回復に劣後しよう。
実質GDP成長率と鉱工業生産
■目次

1. はじめに
2.米製造業の現状
  (1)鉱工業生産、出荷および新規受注:自動車関連は好調も、鉱業の落ち込みが大きい
  (2)設備投資:資源関連の建設投資が押下げ、底入れの兆しはみえない
  (3)企業収益:米国企業収益の落ち込みもエネルギー関連や製造業が主導
  (4)雇用者数:建設業は堅調も、建設業以外の雇用回復に遅れ
  (5)世界輸出・鉱工業生産:相対的に米国の伸びは鈍化、ドル高が影響している可能性
3.米国経済への影響
  (1)景気循環と鉱工業生産:鉱工業生産と米リセッションの相関は高くない
  (2)産業別シェア(GDP、雇用):製造業のシェアは大幅に低下
4.今後の見通し

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

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