2015年02月24日

本格化するサービス分野でのロボット開発~先行する介護ロボット開発からの示唆

社会研究部 准主任研究員   青山 正治

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<要旨>

  1. 介護ロボットなど生活支援ロボットを内包するサービスロボットの開発が、以前にも増して活発化している。背景には、近年のICTや人工知能などの急速な技術革新や少子高齢化の進行による社会的課題解決への動きなどがある。サービスロボットとは、製造業で活用される産業用ロボット以外のロボットの総称とされるが、極めて広範な分野の多様なロボットが含まれており、それら分野の現状を俯瞰し、政策的支援により開発が先行する介護ロボット開発からの示唆を加える。
  2. 初めに技術面からサービスロボットの位置づけを確認する。ロボット及びロボット技術(RT)とは「センサー」「知能・制御」「駆動系」の3要素から構成された「知能化した機械システム」とされるが、最近は2要素を組み合わせたものなども含めている。その中でサービスロボットは、生産ラインなどで限られた作業を高効率で行なう産業用ロボットと異なり、人の居る空間や人に装着して活用するため、高い安全性と活用目的に応じた高い機能が求められる。従って、人工知能などの高度の要素技術の組合せや応用が必要であり、技術水準的には高い位置づけにある(図表-1を参照)。
  3. サービスロボットの開発現状は、その活用環境や目的によって求められる要件が様々であるため幅広い分野で多種多様なロボット開発が行われている(図表-2を参照)。既に一部では、医療現場の手術支援用ロボットや家庭用の掃除ロボットなど、多様な形のロボット・RTが活用されている。現在、人手による重作業や日常生活を支援するロボットの試作機が続々と登場している。今後、さらに社会の様々な領域で活用が見込まれるこれらサービスロボットなどが、成長分野の一つとして注目され、ベンチャー企業や大企業、産学官連携による新たなロボット開発が進行している。
    ※今後、政府の「ロボット新戦略」(2015年1月23日公表、経済産業省ホームページ内)が注目されよう。
  4. これら新たなサービスロボット開発へは、政策的支援も加わり先行して開発・実用化が進む介護ロボットの開発現状から示唆される点もある。一つ目は開発企業にとって新しい分野のロボット開発にあたり、対象ユーザーの深い本音のニーズや使用環境などを十分に把握し開発に臨むことが重要であり、新しい価値(サービス)を提供するという視点が必要であること。二つ目には開発機器に高いユーザビリティ(使い勝手)を付加するためにユーザーと協働した機器の改良・改善の継続が必要であること。三つ目としては費用対効果などの経済面やリスクマネジメントへの取組を十分に行なうこと、などである。また、「ロボット」という言葉の使用には一考の余地もあろう。

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社会研究部   准主任研究員

青山 正治 (あおやま まさはる)

研究・専門分野
少子高齢社会・社会保障

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