2015年02月13日

巻き起こる格差議論~ピケティ「21世紀の資本」の意味~

経済研究部 専務理事   櫨(はじ) 浩一

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■要旨

フランスの経済学者トマ・ピケティが出版した「21世紀の資本」が注目を集めている。この本の指摘で格差問題に気がついたというよりは、人々が感じていた格差拡大のメカニズムについての仮説を提示したことが注目を浴びた原因ではないか。ただし、保有資産の格差が所得の格差を生み、それがさらに資産の格差を拡大させるという格差拡大のメカニズムは、アメリカや日本については必ずしも主要因とは言えないと考える。

ピケティが提起したより重要な問題は、これまでの経済学の思想では、現実の経済にある様々な欠陥を取り除いて行けば社会は平等になると考えていたが、むしろ不平等が拡大するのを加速するかも知れないという点ではないか。所得格差のない社会が理想的とは思えないが、著しい格差は社会を不安定にするおそれがあり、格差の固定が閉塞感を生むことは否めない。格差の議論は今後も人々の注目を集めるだろう。

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経済研究部   専務理事

櫨(はじ) 浩一 (はじ こういち)

研究・専門分野
マクロ経済・経済政策

(2015年02月13日「基礎研レポート」)

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