2014年10月17日

円安トレンドは不変~マーケット・カルテ11月号

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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ドル円相場は月初に一時110円台に到達した後、揺り戻しの動きが鮮明化、足元では106円台で推移している。米量的緩和終了を間近に控え、市場環境の先行き不透明感が意識されやすいタイミングで、欧州経済指標の下振れやエボラ出血熱などのマイナス材料に市場が過敏に反応。結果、世界的に株価が急落し、リスク回避の円買いが優勢になった。また、頼みの綱の米国経済が世界経済の低迷の悪影響を受け減速するかもしれないという疑念も円高ドル安に作用した。

しばらくはこの地合いを引きずりそうだが、今後もトレンドとしての円安は不変だろう。米国経済は絶好調ではないにせよ、雇用情勢など経済の足腰はしっかりしており、来年の利上げは揺るぎそうにない。日米の金融政策の方向性の違い自体は従来と何も変わっておらず、円安ドル高を正当化する。リスク回避的な円買いの緩和も予想され、3ヵ月後は現在よりもやや円安ドル高になっていると見る。

ユーロ円相場は、欧州の景気低迷やリスク回避の円買いを受けて、135円台とやや円高ユーロ安に振れている。ただし、市場の期待が燻るECBの国債買入れには距離がある一方、今後は次第にリスク回避の緩和が見込まれるため、3ヵ月後の水準はやや円安ユーロ高を予想。

長期金利は世界的な株安・金利低下を受けて、0.4%台後半に低下している。今後3ヵ月では、過度の悲観が後退することで若干水準を切り上げると見ているが、異次元緩和による金利抑制力は強く、現状比横ばいの域を脱するのは難しそうだ。

(執筆時点:2014/10/17)

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上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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