2014年07月03日

働く人による介護の実態-男性介護者に注目して

生活研究部 主任研究員   松浦 民恵

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■見出し

1――働く人、特に男性による介護に注目する理由
2――男女別にみた、介護への関わり方や負担感、仕事と介護の両立への苦悩
3――仕事と介護の両立支援に向けて~分析結果から得られた示唆

■introduction

65歳以上の要介護・要支援の認定者数は2012年度には546万人まで増加し(2001年度は288万人)、75歳以上に限ってみると、32.4%が要介護・要支援の状況にある(要介護は23.7%)。こうした要介護・要支援者のかげには、介護を担う介護者がいる(図表1)。


図表1:主な介護者の続柄と属性


主な介護者の内訳をみると、同居の家族等が64.1%、別居の家族等が9.8%、事業者が13.3%となっている。同居の主な介護者(家族等)は、女性が69.4%を占める。年齢は60~69歳が29.3%と最も高く、次に50~59歳(26.6%)、70~79歳(20.6%)が続いている。就業の状況をみると、40.1%が仕事を持っており、役員や一般常雇者も2割弱にのぼる。
注目されるのは、同居の主な介護者のなかで、男性が、2001年の23.6%から、2010年には30.6%まで増加していることである。今後の見通しとしても、(1)高齢化がさらに進行し2022年には団塊の世代が75歳に突入すること、(2)希望者全員の65歳までの雇用を企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法が2013年4月に施行されたこと、等から、働く人が介護を担うケース、特に男性介護者がさらに増加していくと予想される。
男性介護者については、一般に看病や家事の経験が少ないこと、地域でのネットワーク構築が十分でないケースが多いこと等から、介護を抱え込み、苦悩する懸念が大きいといわれている。深刻なケースである要介護者に対する虐待について、虐待者の続柄をみると、男性(夫17.5%、息子40.7%等)が6割強を占めているのも、気にかかるところである(図表2)。
そこで、本稿では、これまで十分に明らかにされてこなかった働く人による介護の実態、特に近年増加しつつある男性の介護の実態に光を当てる。具体的には、従業員を対象としたアンケート調査結果をもとに、働く人の介護の実態を、男女の比較を通じてみていきたい。


図表2:虐待者の続柄

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生活研究部   主任研究員

松浦 民恵 (まつうら たみえ)

研究・専門分野
雇用・就労・勤労者生活、少子高齢社会

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