コラム
2012年11月30日

当世就活(シュウカツ)事情~保護者に必要なことは~

  山田 善志夫

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12月から大学3年生の就職活動(就活)が本格的にスタートする。景気低迷で、大学生の就活は引き続き厳しい状況が続いており、昨今は、保護者の物心両面での支援が必要だと言われている。保護者向けの説明会や就職支援セミナーを開催する大学や自治体が増え、就職支援サイトには「親子で就職活動」等のページも設けられている。これらの説明会やセミナー、ウェブサイトでは、保護者のかかわり方や保護者としてできること、さらには保護者がしてはいけないことまでが具体的に説明されている。

ベネッセ教育研究開発センターが実施した調査*によれば、大学4年生の保護者の約4割が「子どもの進路に関する情報を、インターネットや雑誌・書籍などから情報収集した」と回答している。現在の就活は、企業の採用に関する協定等の変更や選考過程におけるインターネット活用の拡がりにより、今の保護者世代が経験した自身の就活とは、活動時期や活動期間、選考方法、また就活に必要な費用等がまったく異なっている。子どもの就活にあたっては、保護者として、「現在」の就活について正しく認識し、理解しておくことが必要不可欠である。

筆者は、自分の子どもの就活の際に、当初子どもの本当にやりたいことが分かっていなかったために、進路について適切なアドバイスができず、子どもの就活が少なからず遠回りをしたという体験を持っている。子どもは、自分のやりたいことで生計を立てていくことはなかなか難しいのではないかと考え、やりたいこととはあまり関係のない業種や企業に対して就活を行っていた。子どもとのちょっとした会話からそのことが分かり、『自分のやりたい道に進んでは』とアドバイスした結果、子どもは方針の変更を決断し、本当にやりたい道を目指して改めて就活を始めたのである。

筆者の例を引くまでもなく、子どもの就活にあたっては、まず、保護者自らが「子どもが何をしたいか」、「保護者に何をして欲しい(して欲しくない)と思っているか」を確認することが必要である。先の調査によれば、大学4年生の保護者の7割以上が「将来や進路」、「就職や就職活動」を子どもとの会話の話題にしたと回答している。就活時期の子どもとの会話を表面的なものに終わらせることなく、保護者自ら胸襟を開いて子どもとしっかりと話し合い、一緒に考えることが是非とも必要である。

これから始まる厳しい就活に対し、保護者として、「当世就活事情」を正確に理解し、子どもと心をひとつにして立ち向かって欲しい。


 
* 「大学生の保護者に関する調査」(2012年3月実施)

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