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超高齢社会におけるオーソドックスな投資スタイルとは?―債券・株式を例に金利・配当目的の投資の有用性を探る
伊藤 拓之
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■見出し
1――はじめに
2――インカム・ゲインに焦点をあてた投資スタイル
3――債券におけるインカム投資
4――株式におけるインカム投資
5――結び
■introduction
日本はすでに超高齢社会へ突入しており、高齢者が大部分を保有している約1500兆円といわれる個人資産に関し、「『貯蓄』から『投資』へ」と叫ばれて久しい。しかし、未だに資金は預貯金のままで眠り続けている。その背景には内閣府の「『貯蓄から投資へ』に関する特別世論調査」※1によると、貯蓄指向の高さがうかがえ、元本保証の安心感や証券投資への知識の欠如や不信感があるようだ。はたして、貯蓄指向を保ったままで保有資産を守っていくことは可能な状況にあるのだろうか。
まず現在の投資環境を見るために、ここに日米の株価指数(日本:TOPIX,米国:S&P500)の推移と長期金利(日本:10年国債、米国:10年国債)の推移を図示した(図表1)。株式は変動が大きく、特に日本株では2008年のリーマン・ショックから未だに回復しておらず、株式の継続保有では資産を毀損する懸念を払拭できない。他方長期金利は日米とも近年は低下しており、金利収入が低迷し十分なリターンを得られない。このような厳しい投資環境の中であればこそ、収益を高める方法を考える必要があることは言うまでもない。
今後の超高齢社会では低金利が長期化する中、資産保全するために、個人資産の大部分を保有する高齢者がその資産を運用する必要に迫られる。在職中は投資に縁がなかった人も老後資金を補うために投資せざるを得ない環境がやってこよう。そこで、次章以降では超高齢社会におけるオーソドックスな投資スタイルについて考察したい。
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