2012年01月25日

介護分野へ接近を始めた多様なロボット~イノベーションが進む福祉・介護分野のロボット~

社会研究部 准主任研究員   青山 正治

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 ・近年、製造現場で活躍する各種産業ロボットだけでなくアミューズメントや家庭用の掃除ロボット、さらに介護・福祉といった生活やサービス領域へと多様な形のロボットが徐々に普及を開始している。

 ・2010年6月に政府より発表された「新成長戦略」の柱の一つである「ライフ・イノベーション」の中には「医療・介護ロボット等の研究開発・実用化を促進する」と記載され、マスコミ報道などにも開発中の機器が紹介され、社会の認知度も高まってきている。

 ・この福祉・介護分野におけるロボットの開発の視点としては、(1)将来的な介護領域を含めた労働力不足への対策としての視点、(2)新産業創出の視点、(3)被介護者のQOLの改善と共に介護者の心身の負荷軽減としての視点、があると考える。

 ・経済産業省のニュースリリースによると、2010年に約1兆円強のロボット市場は、2035年には9.7兆円に拡大する潜在力を持つ。今回注目する「介護・福祉」分野の市場は「サービス分野」に含まれ、2025年で1,239億円、2035年で4,043億円と予測されている。ただ、介護・福祉分野のロボットには産業用ロボットとは異なる高い安全性やユーザビリティも要求され、普及の点ではまだ黎明期を脱していない。

 ・しかし、足元ではNEDOの「生活支援ロボット実用化プロジェクト」実施や安全性確保のための試験設備完成など、開発・普及に向けた取組が進展している。また、日本には「パロ」「HAL®」「マイスプーン」といった、既に欧米でその効用が認められた優秀なロボットも存在する(本文参照)。この他にも多数の企業や研究機関で介護ロボットや各種機器等の開発が進んでおり、2011年秋には大手自動車メーカーの同分野向けプロトタイプのロボットも発表され、今後中期的に本格的な展開時期を迎えることが予想される。

 ・今後、さらにこの動きを加速するためには、供給側の「ロボット産業」と需要側の「介護産業」との間に介護ロボット等の開発・普及促進のための最適な仕組みづくりが必要である。




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社会研究部   准主任研究員

青山 正治 (あおやま まさはる)

研究・専門分野
少子高齢社会・社会保障

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