2011年12月26日

進む夫の家事・育児への参加

社会研究部 准主任研究員   青山 正治

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2010年6月30日に改正育児・介護休業法が施行された。少子高齢化の進行による社会構造の変化に対応した動きである。そこで法律施行前の状況ではあるが、特に夫の家事・育児への関わり方について、5年毎に実施されている国立社会保障・人口問題研究所の「全国家庭動向調査」を見てみよう。
「イクメン」なる造語が登場し話題となって久しいが、一昔前に比べると公園で幼子と遊ぶ父親やベビーカーを押す若い男性の姿が日常的な光景となってきた。女性の社会進出と逆の現象として男性の家事や育児への参加が進行している。家事・育児についての妻の意識として、「夫もそれらを平等に分担すべき」という割合は、約20年前でも74%あり、2008年には83%に達している(図表-1)。
次に夫の「家事遂行(妻:69歳以下)」について見ると「ゴミ出し」「日常の買物」「食事の後片付け」と比較的軽作業の順になっている。「炊事」は2割とまだ低いが、近年、リタイアした男性や若い男性が料理教室に通う姿も、時折、マスコミで報道されている(図表-2)。少子高齢社会の家庭生活では様々な事態も予想され、「炊事」も男性の必須技能となろう。続いて「育児遂行(妻:49歳以下)」では、各項目とも総じて割合が高く、「遊び相手」「風呂に入れる」「あやす」の順となっている(図表-3)。
男性の家事や育児への参加は、仕事への能力や経験を持つ女性の力を社会に活かすためにも、少子化抑制のためにも必要な、時代の要請であろう。制度面の充実とともに、「夫」の役割も多角化と多様な能力アップが一層求められよう。取りも直さず、その積極的取り組みは、男女相互のワーク・ライフ・バランスの実現への道ともなろう。また、それら能力は若い子育て中の男性だけでなく中高年男性にとっても、孫の世話や親族の介護を支援する上で、少子高齢社会の常識的能力となろう。

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社会研究部   准主任研究員

青山 正治 (あおやま まさはる)

研究・専門分野
少子高齢社会・社会保障

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