2011年11月25日

米国上院における議事妨害「フィリバスター」

  鈴木 健午

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■見出し

1--------はじめに
2--------フィリバスターの実像
3--------フィリバスターの歴史
4--------直近の議会におけるフィリバスター
5--------上院の伝統・少数派の権利として守られるフィリバスター
6--------おわりに

■introduction

米国政治を巡る報道の中で、「フィリバスター」という言葉を耳にされたことはあるだろうか。
日本では、与野党の対立の中で、野党による牛歩戦術が報じられることがある。こうした議事進行を妨げる行為は米国でも行われており、とりわけ、米国上院では、「フィリバスター(オランダ語で“海賊”)」と呼ばれる議事妨害が200年以上もの間、繰り返し行われている。
フィリバスターとは、上院規則19条で、「いかなる上院議員も、他の議員の討論を、その議員の同意無しには中断させることができない」と定められ、原則的に議員の発言時間が無制限となっていることを利用し、長時間にわたり討論を続けることで議事進行を意図的に遅延させる行為である。上院の法案審議は議会期を越えて行うことが出来ないため、フィリバスターを活用し、議会期終了まで審議を引き延ばせば、法案を廃案に追い込むことが可能となっている。
もっとも、フィリバスターが際限なく認められれば、上院、ひいては連邦議会が機能不全に陥る恐れがあることから、現在は全議員の5分の3以上(60議席以上)の賛成を得て、「クローチャー(討論終結)」と呼ばれる決議を行えば、議員の発言時間に制限が設けられ、討論を終了させて議決に持ち込むことができる。
このため、上院選挙時においては、議事進行を優位・円滑に進められるよう、議席の過半数はもとより、クローチャー決議に必要な60議席の確保も重要な意味を持つ。以下、フィリバスター・クローチャーについて概説していきたい。

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