2011年04月21日

「セルフ・ネグレクトと孤立死に関する実態把握と地域支援のあり方に関する調査研究報告書」(平成22年度老人保健健康増進等事業)

生活研究部 シニアマーケティングリサーチャー   井上 智紀
  廣渡 健司
  山梨 恵子

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■見出し

第1章 要旨
第2章 調査研究概要
第3章 全国における高齢者の孤立死数の推計と孤立死の具体像
第4章 セルフ・ネグレクトの実態と孤立死との関係
第5章 自治体における取り組みの実態~全国自治体悉皆調査から~
第6章 自治体における課題と対応~自治体ヒアリング調査(訪問調査)から~
本研究事業を通じて

■introduction

近年、孤立死(孤独死)問題には、マスコミ報道等により社会的な関心が高まっている。
しかし、これまで特定地域での独自の統計やそれを元にした先行研究、個別自治体での対策事例はあるものの、孤立死・孤独死という名称も含めて未だ明確な定義が存在せず、全国規模での発生件数すら明らかにされていない。また、孤立死の背景として考えられる要因の1つに、本人の支援拒否があるが、たとえ本人からの明確な「拒否」があったとしても、それが必要な情報・知識に基づく合理的な判断ではない場合には、真のニーズを見極めることによって社会的支援につなげていく必要があるだろう。
本研究事業は、これまで系統だった調査・研究のなされていない「孤立死」に着目し、その実態把握と発生数の推計、セルフ・ネグレクトとの関係の解明に取り組んでいる。参考となる先行研究や調査が少ないため、分析方法等に厳密さに欠ける部分がないとは言えないが、孤立死の推計値を示すことができた。また、全国の地域包括支援センター、生活保護担当部署から孤立死事例を集約し、セルフ・ネグレクトと孤立死との関係について論じ、かつ自治体の先進的取り組みを紹介したことは、本研究事業の大きな成果と言えるだろう。
特に、高齢化率が高まり、独居高齢者が増加している昨今、孤立死発生率の推計値や自治体の先進的取り組みの紹介は、多くの自治体において孤立死予防対策を検討する上で貴重な資料となると考えられる。孤立死は日々どこかで起こっている。孤立死予防のためには、全国の自治体、そして住民1人1人が、孤立死を「地域の問題」、「自分の問題」として捉えていく姿勢が不可欠であろう。

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生活研究部

井上 智紀
(いのうえ ともき)

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