2011年03月23日

10年10-12月期 資金循環統計-個人金融資産残高は3四半期連続の前年比マイナス

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■見出し

・個人金融資産残高(2010年10-12月期末): 前期比では19兆円の増加
・フロー(時価変動を除いた流出入額)の基調: 流動性預金への流入が進む
・部門別資金過不足: 企業の資金余剰が政府の赤字を支える、金融機関の国債保有は過去最高に

■introduction

2010年12月末の個人金融資産残高は、9月末比19兆円増加し1489兆円となった。前期比での増加は4期ぶりとなる。10-12月期は賞与の最大支給月にあたる6、12月を含むことから例年フローで流入超過となる傾向があり、今回も13兆円の流出超過となった。業績改善などにより9月末に比べ株式市場が回復したことで時価変動の影響も6兆円のプラスとなった。
一方、前年比でみると2兆円の減少と、3四半期連続のマイナスとなった。一年間で6兆円の流入超過があったが、時価変動のマイナス影響▲7兆円がこれを上回った。前年末と比べ10円超の円高ドル安、株価(TOPIX)も▲1%下落したことが影響した(図表1~4)。
なお、足元は昨年末と比べ大きく株価が下落しているため、個人金融資産にもマイナスの影響が生じていると考えられる。

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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