2009年08月04日

米4-6月期GDP速報値は年率▲1.0%と減少幅を急速に縮小

  土肥原 晋

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■見出し

・4-6月期GDPは、前期比年率▲1.0%と市場予想を上回るマイナス縮小:GDP速報値の概要
・設備投資減少幅の縮小の一方、個人消費のマイナスへの転落が特徴的:需要項目別の動向
・米商務省は、基準値の変更を含むGDPの総合的な改定値を発表

■introduction

米商務省が7月31日に発表した4-6月期実質GDP(速報値)は、▲1.0%(前期比年率:以下も同じ)と、市場予想(同▲1.5%)より改善、前1-3月期(▲6.4%に下方修正)からマイナス幅を大幅に縮小した(図表-1)。一方、今回で昨年7-9月期(同▲2.7%)以降4四半期連続のマイナス成長となるが、これは1947年の調査以来はじめてのこととなる。
GDPの内訳では、個人消費が同▲1.2%(前期は同0.6%)と2四半期ぶりにマイナスに転じたのが注目される。半面、改善が見られたのは、設備投資が同▲8.9%(前期は同▲39.2%)、住宅投資が同▲29.3%(前期は同▲38.2%)、在庫が寄与度▲0.83%(前期は同▲2.36%)とマイナス幅を縮小し、政府支出が同5.6%(前期は同▲2.6%)とプラスに転じたこと等が挙げられる。純輸出は、輸出入とも減少するなか、寄与度が同1.38%(前期は同2.64%)とプラスに寄与したものの、前期から寄与度を半減するなど、主要需要項目で相違の多い状況となった。なお、GDPから在庫・純輸出を除いた国内最終需要(Final sales to domestic purchasers)は、同▲1.5%と、前期(同▲6.4%)から急速にマイナス幅を縮めた。
今回のGDPには強弱両面が見られるものの、マイナス幅が大きく縮小し、在庫調整の進展が続いていること等から、回復局面への道筋を辿りつつあると思われる。ただし、消費の落ち込みが最大の懸念材料であることは間違いなく、今回改めて景気低迷の主因となっていることが示されたと言えよう。消費低迷の背景には、雇用減や資産価格下落の影響があることから、今後、成長率がプラス転換した後も緩やかな伸びに留まると予想される。
なお、オバマ大統領は、今回のGDP発表後、「米経済については、なお慎重に見る必要があるものの、正しい方向に向かっており、設備投資は安定化を見せ始めた。GDPの後退ペースの鈍化には、景気刺激策が影響している」との見方を示した。

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