2009年06月26日

需給ギャップの大幅マイナスは長期化するのか

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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  1. 昨年秋以降の景気の急速な悪化に伴い、足もとの需給ギャップのマイナス幅は▲8%程度まで拡大している。2009年4-6月期以降はプラス成長が見込まれているが、需要不足の規模が非常に大きいため需給ギャップの解消には相当の時間を要し、これに伴いデフレが長期化するという見方も多い。
  2. しかし、今後の景気回復が緩やかなものにとどまった場合、潜在成長率は大幅に低下し、このことが需給ギャップの縮小に大きく寄与する可能性が高い。
  3. 生産関数を用いて、今後2年間の成長率が前期比年率2%程度で推移した場合の潜在成長率を推計したところ、2009年後半には潜在成長率はマイナスに転じ、需給ギャップのマイナス幅は2010年度末に▲3%弱にまで縮小するという結果となった。
  4. 一方、V字型の回復が実現することにより、潜在成長率の水準は足もととほぼ変わらずに、需給ギャップが縮小するというケースも考えられる。
  5. いずれにしても、需給ギャップのマイナス幅が大きく拡大したままの状態が長期化することは考えにくい。潜在成長率が急低下するか、実際の成長率が急上昇するか、のどちからによって需給ギャップのマイナス幅は急ピッチで縮小に向かうことが予想される。需給ギャップの大幅マイナスを要因として今後数年間にわたってデフレが続く可能性は低いだろう。
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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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