2008年06月02日

日本は何処に向かうのか

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わが国の資本市場には、世界の国々と類似した側面と、特殊な側面がある。例えば、類似した側面として、わが国の自動車株はじめ大型株は、先進諸国との連動性が高い。特に最近、わが国独自の動きは薄まり、グローバルなセクターの効果が強まっている。また、バリュエーションも世界標準化した。国内株の配当利回りやPER は、世界各国の株式と比較可能な水準となった。
一方,わが国の特殊性が際立つ側面もある。例えば、世界標準の経営者は、株主の利益を最重視すべきと答えるのに対し、わが国の経営者は従業員なども含む利害関係者の利益と答える。日本のシステムが他国と異なれば、世界中の投資家の分散投資には望ましいが、効率が際立って低いシステムでないことを祈りたい。
さらに大きな影響を与える要因として、隣国、中国の存在がある。日本の高度成長期を超える中国には、世界の投資家の関心が高い。日本が共に成長できるか、あるいは置いて行かれるのか、我々の努力にも依存しよう。反面、投資家としては、すでに世界の株式市場で10%のウェイトを切り、魅力の乏しくなった国内株に見切りをつけ、グローバル株の重視を考える向きもあるかもしれない。

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【日本は何処に向かうのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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