- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 年金制度 >
- 負担と給付の問題に新しい展望を
次回の財政検証に向けた公的年金の展望を示す時期に来ているはずなのに、深刻な年金加入記録問題の影に隠れて、将来の給付と負担に関する議論が少ないように感じる。
2004年の改革では、月額5.7万円(労使折半)の保険料を2017年までに約7万円まで引き上げて据え置く計画であった。それでも、加入者一人で受給者一人を支える時代も近づき、公的年金財政の維持が困難なことは明らかであった。
サラリーマン世帯の現在のモデル給付額23万円を実質的に切り下げていくマクロ経済スライド導入が、問題解決の切り札であった。しかし、加入者の賃金低下などにより、発動が凍結され、給付削減どころか足元の所得代替率は上昇している。この安定化装置がいつ作動するのか、給付と負担のギャップがどう埋まるのか、人々は将来へのリスクを感じながら生活している。
リスクが高まれば、人々は現在の消費を抑制して貯蓄を高めるし、情報の少なさにも、リスクプレミアムを要求する。将来への不安は、現在の経済環境に影響を及ぼしている。負担増加と給付削減の議論を将来に先送りすることなく、景気回復で一息ついた今こそ、年金問題に適切な展望を示す必要があろう。
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月30日
今週のレポート・コラムまとめ【4/23-4/26発行分】 -
2024年04月26日
ドイツの産業空洞化リスク-グローバル化逆回転はドイツへの逆風、日本への追い風か?- -
2024年04月26日
米GDP(24年1-3月期)-前期比年率+1.6%と前期から低下、市場予想の+2.5%も大幅に下回る -
2024年04月26日
滞留するふるさと納税 -
2024年04月26日
EUのDMA関連調査開始決定-GAFAそれぞれの問題を指摘
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【負担と給付の問題に新しい展望を】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
負担と給付の問題に新しい展望をのレポート Topへ