2005年06月25日

求められる不動産価格の妥当性検証

  松村 徹

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■目次

1.私募ファンドの出口戦略
2.懸念される利益相反リスク
3.不動産価格の妥当性検証のために

■introduction

私募ファンドは、不動産利回りと借入金利の差を利用してレバレッジを効かせ、不動産価値を高めて第三者に売却し、J-REIT(不動産投資信託)より高い投資利回りを狙う仕組みである。通常、運用会社は、稼働率改善や管理コスト削減でキャッシュフローを増加させることで不動産価値を高めるが、最近は、投資市場における価格上昇の追い風も受けている。
最近、市場環境と投資家の多様化を背景に、同一もしくは系列の運用会社が管理するファンド間で不動産を転売する例が増えている。これは、海外投資家など要求利回りの高い投資家向けファンドから、要求利回りの低い国内投資家向けファンドに不動産を転売することにより、利回り差分だけの値上がりが期待できるためである。
特にJ-REITは、優良物件を比較的低い利回りで購入して、長期間保有する投資家とみなされ、私募ファンドの最終的な出口に想定されることが多い。このため、私募ファンドの運用会社がJ-REIT組成を計画したり、J-REITへの売却を想定して新規参入組が私募ファンドを組成したりする一方、J-REITで先行した大手不動産会社が、系列J-REITを出口のひとつに想定する私募ファンドを組成する例も増えている。

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