- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- 誤解に基づいたわが国の年金ALM
そもそも米国で、年金ALMの理論的バックグラウンドとなっている現代ポートフォリオ理論が本格普及したのは、リスクを痛感したことが契機のようである。『リスク・神々への反逆』(P.バーンスタイン著)でも、「1952年にハリー・マーコビッツがポートフォリオ選択のリスクに焦点をあてたが、強気相場の下では関心を引かず、注目されたのは、石油ショック以降の株価下落リスク発生時だった」と述べている。
翻って、わが国の年金ALMは、運用規制緩和と積立不足の下で導入されたため、リターン確保を狙って、リスク性資産占率引上げを正当化する手段となり、直近の株価下落で更に積立不足を悪化させたケースも散見される。
ひとたび誤った使い方が普及すると、「世間の評判を得るためには、慣行に従わないで成功するより、慣行に従って失敗した方が良いのである」とのケインズの言葉通り、リターン重視のALMが主流になってしまった。今からでも遅くないので、リスクにも着目する現代ポートフォリオ理論本来の使い方をしては如何だろうか。
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月30日
日米欧の実質賃金推移とその特徴 -
2024年05月29日
中国経済の見通し-政策頼みの景気回復。不動産リスクは残存、貿易摩擦も新たな火種に -
2024年05月28日
保険部門におけるデジタル化の進展(欧州)-EIOPAの調査報告書(2024年4月)の紹介 -
2024年05月28日
暑熱ストレスの労働への影響-東アジアのいくつかの研究で労働生産性の減少が指摘されている -
2024年05月28日
市民後見人とは何か~後見制度の担い手として期待される役割~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【誤解に基づいたわが国の年金ALM】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
誤解に基づいたわが国の年金ALMのレポート Topへ