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- 日米欧の実質賃金推移とその特徴
2024年05月30日
■要旨
- 本稿では99年以降の日米欧の賃金上昇率について調査した(図表1)。1人あたり実質賃金(図表2)は米国と英国では高成長を記録したが、日本は若干のマイナス成長となった。ユーロ圏の上昇率はそれらの中間だが、ユーロ圏各国でバラツキも見られ、イタリアやスペインの1人あたり実質賃金上昇率は相対的に低い。
- 賃金変動の中核となる労働生産性は、米国が突出して高く、イタリアでマイナスである。それ以外の国では、1人あたり実質賃金上昇率ほどのバラツキはみられない。日本やスペインの1人あたり賃金上昇率が低いのは、交易条件の悪化や労働分配率等の低下といった労働生産性以外の要因で押し下げられている面が大きい。
- 各国ともに共通して労働時間が減少しているため、1人あたり実質賃金は時間あたり実質賃金(図表3)と比較してやや押し下げられている。なかでも日本の労働時間の低下幅は大きく、1人あたり実質賃金の抑制幅は大きい。
(2024年05月30日「Weekly エコノミスト・レター」)
03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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