2001年12月25日

問われる雇用対策の質

  末廣 譲凡

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■目次

1.失業者の大半を占める構造的失業
2.エンプロイヤビリティ向上に挑む欧州
3.わが国雇用対策の中身

■introduction

雇用問題が深刻化しつつある。わが国の失業率は本年9月には過去最高の5.3%となったが、企業活動の低迷などから一段の悪化が懸念されており、民間調査機関の予測には来年度の失業率を6%台に達するとするものもある。
その発生原因の違いにより2つのタイプの失業を挙げることができる。需要不足失業と構造的失業である。需要不足失業とは景気循環による労働需要低迷から発生する失業を指し、景気回復に伴い解消される性質のものである。構造的失業とは技能などのミスマッチにより発生するもので、労働需要そのものはあっても求職者側が企業の求める技能を身につけていない場合に生じる。
わが国失業率の推移をこのタイプ別に示したのが図表-1である。本年第1四半期時点で、需要不足失業率が1.0%なのに対し、構造的失業率は3.8%に達しており、現在の失業問題の大半は構造的なものであることがわかる。したがって、現在の失業問題の解決には、いかに労働需給のミスマッチを解消し、構造的失業を減らすかという視点が不可欠なものとなる。こうした立場から強調されるのがエンプロイヤビリティ(就業能力)の向上である。エンプロイヤビリティとは労働者自身が企業の求める技能を身に
つけることによって就業機会・可能性を広げることを意味する。

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