1999年03月01日

基金制度の存在意義を問う代行返上論

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厚生年金基金の代行制度が試練を迎えている。運用利回り悪化を反映して、「代行給付を賄うための最低責任準備金にも、資産が足りない基金が2桁を数える」という衝撃的な報告もある。今後、予定利率(現在5.5%)が引き下げられるなら、事態はさらに深刻になるだろう。
しかも2000年度から、退職給付に関する新会計基準が導入されると、この積立不足額が母体企業の負債として計上され、表面化する。ここにきて、厚生省が代行部分の返上を認める方向で検討を進めているのも、この苦況に緊急対応するためである。
しかし、その引受先が定かでない他にも、(1)年金債務に足りない資産を誰かが補う必要がある、(2)加算部分の薄い基金では返上後、ほとんど資産がなくなる、など、「返上」実現には課題がある。
さらに、「返上」できたとしても、その後の「代行なし基金」が、なぜ、適格年金ではなく、基金なのか、という疑問も生じてくる。「返上」が、成否どちらに転ぶにせよ、基金制度の存在意義が問われることは間違いないだろう。

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