- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- ジェロントロジー(高齢社会総合研究) >
- 高齢者世帯の家計・資産 >
- シングル高齢者の相続と金銭管理の準備状況~相続準備は未婚女性が進行、認知能力低下後の金銭管理準備は未婚男女とも遅れ
シングル高齢者の相続と金銭管理の準備状況~相続準備は未婚女性が進行、認知能力低下後の金銭管理準備は未婚男女とも遅れ
生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子
このレポートの関連カテゴリ
シングル高齢者に関する基礎研レポートシリーズの最終稿として、本稿では、公益財団法人生命保険文化センターが2020年に実施した「ライフマネジメントに関する高齢者の意識調査」の結果を基に、「終活」の一端である相続や金銭管理の準備状況について、性・配偶関係別に分析した。
その結果、相続については、未婚男性は「何もしていない」割合が、すべての性・配偶関係のうち最も高い約8割、未婚女性では最も低い約5割となり、属性によって準備状況に差が見られた。これには、そもそも未婚男性では低資産層が最も多く、未婚女性では最も少ないことが関連していると考えられる。
次に、判断能力低下後に向けた準備状況は、男女とも、未婚で「特に準備はしていない」と回答した割合が7~8割に上り、いずれも全体より高かった。いざという時に身近で助けてくれる家族がいないシングル高齢者の場合は、認知能力低下時に備えて、「任意後見制度」などの制度を利用することは、有効な選択肢の一つになると考えられるが、現状では、未婚男性を除いて、利用が低迷していることが分かった。
今後、一定割合の高齢者が認知症になることを考えると、判断能力低下後のシングル高齢者をサポートする社会的な仕組みを、もっと機能させていく必要があるだろう。いざという時に、日常生活に支障を来して本人も周囲も困ることがないように、また、シングルであっても安心してエンディングを迎えられるように、高齢者を支える社会の仕組みについて、もっと周知を図っていくことが必要ではないだろうか。
■目次
1――はじめに
2――相続の備え
3――判断能力低下後に向けた備えと希望
3-1│判断能力低下時に向けた準備状況
3-2│判断能力低下時の相談相手
3-3│判断能力低下時の金融資産に対する取り扱いの希望
4――終わりに
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1821
- 【職歴】
2002年 読売新聞大阪本社入社
2017年 ニッセイ基礎研究所入社
【委員活動】
2023年度~ 「次世代自動車産業研究会」幹事
2023年度 日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月17日
マレーシア経済:24年1-3月期の成長率は前年同期比+4.2%~堅調な個人消費と輸出の回復により成長加速 -
2024年05月17日
韓国政府と医療界が医学部の入学定員増案で対立、医療空白が長期化-日本の事例を参考に事態の解決を- -
2024年05月17日
2024・2025年度経済見通し(24年5月) -
2024年05月17日
米住宅着工・許可件数(24年4月)-着工件数は前月から増加も市場予想を下回る -
2024年05月17日
女性の「定年」への意識~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(7)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【シングル高齢者の相続と金銭管理の準備状況~相続準備は未婚女性が進行、認知能力低下後の金銭管理準備は未婚男女とも遅れ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
シングル高齢者の相続と金銭管理の準備状況~相続準備は未婚女性が進行、認知能力低下後の金銭管理準備は未婚男女とも遅れのレポート Topへ