2023年08月28日

生活習慣病のリスクを高める量の飲酒者は男性で横ばい、女性で増加~適正飲酒に向けて、酒類にアルコール量の表記が進む。健康日本21(第三次)でも女性を中心に引き続き取り組み実施予定。

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子

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■要旨

世界保健機関(WHO)は「お酒は60種類を超える病気の原因であり、200種類以上の病気やけがに関連している」と指摘している1。生活習慣病との関連も強く、がん、高血圧、脳出血、脂質異常症などの発症リスクは、1日平均飲酒量に伴いほぼ直線的に上昇することが知られている。全死亡、虚血性心疾患、脳梗塞は、直線的に増えるわけではないがある閾値を超えるとリスクが上昇することが知られている。こういった研究をもとに、現在、1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上,女性20g以上で生活習慣病のリスクを高めるとして、適量の飲酒を勧めている。

本稿では、アルコールによる健康への影響のうち、身近なリスクの1つである生活習慣病リスクを高める量の飲酒の現状を示し、国の飲酒に関する目標を紹介する。
 
1 厚生労働省「習慣を変える、未来に備える あなたが決める、お酒のたしなみ方(男性編/女性編)」によれば、WHOは「お酒は60種類を超える病気の原因であり、200種類以上の病気やけがに関連している」と指摘している。


■目次

1――生活習慣病を高める飲酒の現状
  1|生活習慣病リスクを高める量の飲酒をしている割合は、男性で横ばい、女性で上昇
  2|特に50歳代女性が10年間で大幅上昇
2――適正飲酒に向けた取組
  1|国の適正飲酒に向けた取り組み
  2|企業等・保険者等の適正飲酒に向けた取り組み
3――まとめ
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保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

村松 容子 (むらまつ ようこ)

研究・専門分野
健康・医療、生保市場調査

経歴
  • 【職歴】
     2003年 ニッセイ基礎研究所入社

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