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- 英国と日本の私的年金制度の加入状況について
2020年09月30日
■要旨
英国では2013年以降、職域年金の加入率が飛躍的に上昇している。背景には、自動加入制度の導入がある。NESTの創設、職域DCのデフォルト商品の義務化など、自動加入制度が機能する環境が周到に整備されたことも、加入率の上昇に寄与していると考えられる。しかし、加入率改善の最大の要因は、私的年金への加入を企業や従業員の任意から自動加入へと大きく転換したところにある。
日本でも、2014年以降、私的年金制度の普及拡大に向けた検討が開始されているが、カバレッジの拡大には至っていない。寿命の延びによりリタイア後の人生の長期化が見込まれるなか、生活を支える経済基盤の拡充は今なお重要な課題であり、特に、中小企業による私的年金の導入割合の引き上げや働き方にかかわりなく自助努力が実施されるような環境づくりは重要性の高い課題と言える。こうした積み残された難題に対応する上では、英国流のアグレッシブさを念頭に置いておくことも必要かもしれない。その上で、私的年金制度が広く活用されるようになることを期待したい。
■目次
1――飛躍的に上昇する英国職域年金の加入率
1|職域年金の加入率の推移
2|加入率改善を実現した自動加入制度
2――わが国の私的年金制度の改正と加入状況
3――私的年金制度の普及拡大に向けてに
英国では2013年以降、職域年金の加入率が飛躍的に上昇している。背景には、自動加入制度の導入がある。NESTの創設、職域DCのデフォルト商品の義務化など、自動加入制度が機能する環境が周到に整備されたことも、加入率の上昇に寄与していると考えられる。しかし、加入率改善の最大の要因は、私的年金への加入を企業や従業員の任意から自動加入へと大きく転換したところにある。
日本でも、2014年以降、私的年金制度の普及拡大に向けた検討が開始されているが、カバレッジの拡大には至っていない。寿命の延びによりリタイア後の人生の長期化が見込まれるなか、生活を支える経済基盤の拡充は今なお重要な課題であり、特に、中小企業による私的年金の導入割合の引き上げや働き方にかかわりなく自助努力が実施されるような環境づくりは重要性の高い課題と言える。こうした積み残された難題に対応する上では、英国流のアグレッシブさを念頭に置いておくことも必要かもしれない。その上で、私的年金制度が広く活用されるようになることを期待したい。
■目次
1――飛躍的に上昇する英国職域年金の加入率
1|職域年金の加入率の推移
2|加入率改善を実現した自動加入制度
2――わが国の私的年金制度の改正と加入状況
3――私的年金制度の普及拡大に向けてに
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経歴
- 【職歴】
1988年 日本生命保険相互会社入社
1995年 ニッセイアセットマネジメント(旧ニッセイ投信)出向
2005年 一橋大学国際企業戦略研究科修了
2009年 ニッセイ基礎研究所
2011年 年金総合リサーチセンター 兼務
2013年7月より現職
2018年 ジェロントロジー推進室 兼務
2021年 ESG推進室 兼務
公式SNSアカウント
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