米住宅着工・許可件数（25年6月）－着工・許可件数ともに前月、市場予想を上回る

経済研究部主任研究員窪谷浩

1．結果の概要：住宅着工、許可件数ともに市場予想を上回る

7月18日、米国センサス局は6月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数（季節調整済、年率）は132.1万件（前月改定値：126.3万件）と125.6万件から上方修正された前月、市場予想の130.0万件（Bloomberg集計の中央値）を上回った（図表1、図表3）。

先行指標である着工許可件数（季節調整済、年率）は139.7万件（前月：139.4万件）とこちらも前月、市場予想の138.7万件を上回った（図表2、図表5）。

2．結果の評価：戸建ての減少が続く一方、集合住宅は大幅に増加

住宅着工件数の伸びは前月比+4.6％（前月：▲9.7％）と前月からプラスに転じた（図表3）。戸建て住宅が▲4.6％（前月：▲2.3％）と2ヵ月連続のマイナスとなったものの、集合住宅が+30.0％（前月：▲25.1％）と2桁のプラスに転じて着工件数全体を押し上げた（図表4）。

前年同月比は▲0.5％（前月：▲4.0％）とマイナス幅は縮小したものの、2ヵ月連続のマイナスとなった。集合住宅が+26.6％（前月：+5.6％）と前月からプラス幅が拡大した一方、戸建てが▲10.0％（前月：▲7.1％）と6ヵ月連続のマイナスとなったほか、マイナス幅が拡大して全体を押し下げた。

地域別寄与度（前月比）は、西部が▲0.3％ポイント（前月：+3.8％ポイント）と小幅ながら前月からマイナスに転じた一方、中西部が▲0.8％ポイント（前月：▲3.1％ポイント）、南部が▲0.4％ポイント（前月：▲4.8％ポイント）とマイナス幅縮小も、2ヵ月連続のマイナスとなった。これに対して北東部が+6.1％ポイント（前月：▲5.6％ポイント）とプラスに転じて全体を押し上げた。

先行指標である住宅着工許可件数は、前月比が+0.2％（前月：▲2.0％）と3ヵ月ぶりにプラスに転じた（図表5）。戸建てが▲3.7％（前月：▲2.6％）と4ヵ月連続でマイナスとなった一方、集合住宅が+7.3％（前月：▲0.8％）3ヵ月ぶりにプラスに転じて許可件数全体を押し上げた（図表6）。

前年同月比は▲4.4％（前月：▲0.9％）と3ヵ月連続のマイナスとなったほかマイナス幅が拡大した。集合住宅が+2.9％（前月：+10.5％）と4ヵ月連続でプラスを維持した一方、戸建てが▲8.4％（前月：▲6.3％）と13ヵ月連続のマイナスとなって許可件数全体を押し下げた。

（図表5）住宅着工許可件数（伸び率）/（図表6）住宅着工許可件数前月比（寄与度）

一方、住宅着工件数と許可件数の3ヵ月移動平均、3ヵ月前比は年率で6月がそれぞれ▲19.4％（3月：+4.1％）、▲15.6％（3月：▲1.9％）と、いずれも3月から2桁のマイナスとなった（図表7）。

このため、7月30日発表の4－6月期の実質ＧＤＰにおける住宅投資（前期比年率）は前期の▲1.3％から2期連続のマイナス成長となるほか、マイナス幅が拡大する可能性が高いとみられる。

日付	タイトル	執筆者	媒体
2025/07/22	米住宅着工・許可件数（25年6月）－着工・許可件数ともに前月、市場予想を上回る	窪谷浩	経済・金融フラッシュ
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2025/07/22

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