2025年02月27日

中国経済:2024~26年の見通し-米中関係の先行きは依然不透明。3月の全人代で発表される経済政策に注目

経済研究部 主任研究員 三浦 祐介

文字サイズ

(不動産市場)
不動産市場について、住宅販売面積、住宅販売価格(70都市平均)は、ともに22年以降、3年連続で前年比マイナスとなった(図表13)。面積は約8億m2と、ピーク時(18年)の約半分となった。

供給側の動向に関して、住宅着工面積の伸びは20年から24年にかけて5年連続で前年比減となった(図表14)。住宅竣工面積の伸びは、24年にマイナスに転じた。住宅完成在庫面積の伸びは、依然プラスであり在庫の増加が続いているものの、伸び率は23年から小幅に低下した。不動産開発資金の伸びは、22年から24年にかけて3年連続で前年比減となっており、厳しい資金繰りが続いている。
(図表13)住宅販売面積・価格/(図表14)住宅供給関連指標
(財政)
財政の動向について、一般会計に相当する一般公共予算は、収入、支出とも、23年から伸びが低下した。国内経済減速の影響で、コロナ禍の期間を除き、最も低い伸びとなった(図表15)。特別会計に相当する政府性基金は、不動産不況の影響による土地使用権売却収入の減少が響き、収入が3年連続で前年比減となった一方、特別国債発行等の効果により支出の伸びは改善した(図表16)。
(図表15)一般公共予算/(図表16)政府性基金

3.2024年の物価・金融動向

3.2024年の物価・金融動向

(物価)
物価の動向について、消費者物価指数(CPI)の推移をみると、24年は23年から横ばいで推移した(図表17)。食品・エネルギーを除くコアCPIの伸びは、20年以降1%を割る水準で推移しており、23年から24年にかけて低下を続けた。工業生産者出荷価格(PPI)の伸びは、22年10月以降マイナス圏で推移しているが、マイナス幅は23年から縮小した(図表18)。
(図表17)CPI/(図表18)PPI
(金融)
金融の動向について、M2および社会融資総量の伸びは、経済減速による資金需要の鈍化等により23年から24年に低下を続け、過去最低水準となった(図表19)。金融政策に関して、24年中、政策金利(リバースレポ・オペ、7日物)は、7月と9月に2回利下げが実施され、過去最低水準まで低下した(図表20)。貸出金利のベンチマークとなるLPRは、1年物が7月と10月の2回、5年物が2月、7月、10月の3回引き下げられ、政策金利と同様、過去最低水準まで低下した。
(図表19)M2・社会融資総量/(図表20)政策金利・LPR

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年02月27日「Weekly エコノミスト・レター」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   主任研究員

三浦 祐介 (みうら ゆうすけ)

研究・専門分野
中国経済

経歴
  • 【職歴】
     ・2006年:みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社
     ・2009年:同 アジア調査部中国室
     (2010~2011年:北京語言大学留学、2016~2018年:みずほ銀行(中国)有限公司出向)
     ・2020年:同 人事部
     ・2023年:ニッセイ基礎研究所入社
    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

週間アクセスランキング

ピックアップ

レポート紹介

お知らせ

お知らせ一覧

【中国経済:2024~26年の見通し-米中関係の先行きは依然不透明。3月の全人代で発表される経済政策に注目】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

中国経済:2024~26年の見通し-米中関係の先行きは依然不透明。3月の全人代で発表される経済政策に注目のレポート Topへ