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2024年05月16日
欧州大手保険Gの2023年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況-
(3) 新契約マージン(対PVNBP)等の地域別状況
PVNBP、NBV及び新契約マージン(対PVNBP)の地域別状況は、以下の図表の通りとなっている。
新契約マージンは、アジア・太平洋、中東欧で高く、フランス、イタリア等では相対的に低くなっている。2020年は2019年と比較して、欧米各国において主として低金利の影響を受けて低下し、2021年には2020年と比較して多くの国で水準を回復ないしは上昇させていたが、2022年には金利の上昇の影響により、アジア・太平洋を除く各国・地域で上昇していた。2023年は、ドイツの生命保険で横ばい、ドイツの医療保険で6.6%から5.5%に1.1%ポイント低下、ベネルクス、スペイン、米国等で低下したものの、その他の地域では上昇し、グループ全体では横ばいの5.9%だった。
イタリアでは、新契約価値の成長は、より収益性の高いビジネスミックス、つまり資本効率の高い商品の契約シェアの増加によって促進された。
フランスでは、より優れた新契約マージンと魅力的なビジネスミックスによって促進され、新契約価値が86%進展した。
ドイツの生命保険は、優先商品のシェアが86%となり、経済的影響(13億ユーロ、▲8%)と一時保険料契約の減少によるPVNBPの減少が、継続保険料を伴う契約の売上高の増加によって部分的に相殺された。
米国は、新契約価値への最大の貢献国であり、シェア28%を有しているが、FIA(固定インデックス年金)の販促効果により売上が増加し、新契約マージンは6.1%となった。
アジア太平洋では、新契約価値が2 桁成長し、新契約マージンも9.2%と1.1%ポイント上昇した。現地通貨ベースでの新契約売上高は 3%増加し、新契約マージンは、台湾とタイにおけるモデルと前提の変更、及びビジネスミックスの改善から恩恵を受けた。
PVNBP、NBV及び新契約マージン(対PVNBP)の地域別状況は、以下の図表の通りとなっている。
新契約マージンは、アジア・太平洋、中東欧で高く、フランス、イタリア等では相対的に低くなっている。2020年は2019年と比較して、欧米各国において主として低金利の影響を受けて低下し、2021年には2020年と比較して多くの国で水準を回復ないしは上昇させていたが、2022年には金利の上昇の影響により、アジア・太平洋を除く各国・地域で上昇していた。2023年は、ドイツの生命保険で横ばい、ドイツの医療保険で6.6%から5.5%に1.1%ポイント低下、ベネルクス、スペイン、米国等で低下したものの、その他の地域では上昇し、グループ全体では横ばいの5.9%だった。
イタリアでは、新契約価値の成長は、より収益性の高いビジネスミックス、つまり資本効率の高い商品の契約シェアの増加によって促進された。
フランスでは、より優れた新契約マージンと魅力的なビジネスミックスによって促進され、新契約価値が86%進展した。
ドイツの生命保険は、優先商品のシェアが86%となり、経済的影響(13億ユーロ、▲8%)と一時保険料契約の減少によるPVNBPの減少が、継続保険料を伴う契約の売上高の増加によって部分的に相殺された。
米国は、新契約価値への最大の貢献国であり、シェア28%を有しているが、FIA(固定インデックス年金)の販促効果により売上が増加し、新契約マージンは6.1%となった。
アジア太平洋では、新契約価値が2 桁成長し、新契約マージンも9.2%と1.1%ポイント上昇した。現地通貨ベースでの新契約売上高は 3%増加し、新契約マージンは、台湾とタイにおけるモデルと前提の変更、及びビジネスミックスの改善から恩恵を受けた。
3|Generali
(1)全体の状況
2023年の新契約価値(NBV)10は、2022年に比べて7.8%減少(比較ベースでは、7.7%減少、以下同様)して、2,331百万ユーロとなった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、2022年に比べて0.09%ポイント上昇(0.09%ポイント上昇)して、5.78%となった。
新契約保険料現在価値(PVNBP)は、2021年に比べて9.3%減少(9.2%減少)して40,300百万ユーロとなった。新契約年換算保険料(APE)が2.7%減少した上に、2022 年以降の金利上昇に伴う割引効果の増加によってさらに減少率が増幅された形になった。
(1)全体の状況
2023年の新契約価値(NBV)10は、2022年に比べて7.8%減少(比較ベースでは、7.7%減少、以下同様)して、2,331百万ユーロとなった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、2022年に比べて0.09%ポイント上昇(0.09%ポイント上昇)して、5.78%となった。
新契約保険料現在価値(PVNBP)は、2021年に比べて9.3%減少(9.2%減少)して40,300百万ユーロとなった。新契約年換算保険料(APE)が2.7%減少した上に、2022 年以降の金利上昇に伴う割引効果の増加によってさらに減少率が増幅された形になった。
なお、2023年の新契約CSMは2,796百万ユーロで、新契約価値(NBV)の2,331 百万ユーロへの調整は、対象契約で+654百万ユーロ、税・少数株主持分・その他で▲1,120百万ユーロ、となっている。
10 Generaliは、NBVについて、以下のように説明している。
「NBVは、(1)新契約CSM(損失契約も含む)、(2)CSMに含まれない短期契約の価値とIFRS第9号の下での投資契約の価値、(3)生命保険セグメントの範囲外で発生するルックスルー利益(主として内部資産管理者に支払われる手数料関連)、の合計(ただし、税、少数持分、外部再保険コストを控除後)」、「なお、年間のNBVは、各四半期始における事業・経済前提に基づいて算出される四半期ごとの数値の合計として算出されている。」
10 Generaliは、NBVについて、以下のように説明している。
「NBVは、(1)新契約CSM(損失契約も含む)、(2)CSMに含まれない短期契約の価値とIFRS第9号の下での投資契約の価値、(3)生命保険セグメントの範囲外で発生するルックスルー利益(主として内部資産管理者に支払われる手数料関連)、の合計(ただし、税、少数持分、外部再保険コストを控除後)」、「なお、年間のNBVは、各四半期始における事業・経済前提に基づいて算出される四半期ごとの数値の合計として算出されている。」
(2) 新契約マージン(対PVNBP)等の地域別状況
PVNBP、NBV及び新契約マージン(対PVNBP)の地域別状況は、以下の図表の通りとなっている。
イタリアにおける新契約マージンは、主に他の金融商品との競争を反映して、新契約高が減少していることに対して、販売支援のための臨時取組みを行ったことにより、6.89%から6.60%に0.29%ポイント低下した。
フランスにおける新契約マージンは、主に金利上昇により、4.46%から5.45%に0.99%ポイントと大幅に改善し、これが貯蓄と保障にプラスの影響を与えた。また、グループ保障契約の早期認識により、2022 年との比較ではプラスとなったが、一方でPVNBPは影響を受けた。
ドイツにおける新契約マージンは、ファンドの内部化により資産管理会社のグループレベルで生じた利益によって部分的に補われたが、貯蓄及び年金の業績不振により、4.34%から4.19%に0.15%ポイント低下した。金融商品提供の競争によるPVNBPの縮小、及び特定のタイプの年金商品、いわゆるリースターの閉鎖による影響を受けた。
国際地域では、貯蓄契約により販売量が増加したが、ビジネスミックスの変化と保障への金利上昇の影響により、地中海・中南米、アジアで新契約マージンが低下した。
PVNBP、NBV及び新契約マージン(対PVNBP)の地域別状況は、以下の図表の通りとなっている。
イタリアにおける新契約マージンは、主に他の金融商品との競争を反映して、新契約高が減少していることに対して、販売支援のための臨時取組みを行ったことにより、6.89%から6.60%に0.29%ポイント低下した。
フランスにおける新契約マージンは、主に金利上昇により、4.46%から5.45%に0.99%ポイントと大幅に改善し、これが貯蓄と保障にプラスの影響を与えた。また、グループ保障契約の早期認識により、2022 年との比較ではプラスとなったが、一方でPVNBPは影響を受けた。
ドイツにおける新契約マージンは、ファンドの内部化により資産管理会社のグループレベルで生じた利益によって部分的に補われたが、貯蓄及び年金の業績不振により、4.34%から4.19%に0.15%ポイント低下した。金融商品提供の競争によるPVNBPの縮小、及び特定のタイプの年金商品、いわゆるリースターの閉鎖による影響を受けた。
国際地域では、貯蓄契約により販売量が増加したが、ビジネスミックスの変化と保障への金利上昇の影響により、地中海・中南米、アジアで新契約マージンが低下した。
(2024年05月16日「基礎研レポート」)
経歴
中村 亮一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/10/28 | 最大のメルセンヌ素数が6年ぶりに更新されました-52個目の完全数及びメルセンヌ素数の発見- | 中村 亮一 | 研究員の眼 |
2024/10/11 | 米国における法定責任準備金評価利率を巡る動向-金利の上昇を受けて、10年ぶりに2025年から0.5%引き上げられる- | 中村 亮一 | 基礎研レポート |
2024/10/04 | 再保険に関する監督・規制を巡る最近の動向-資産集約型再保険の拡大とPE会社の保険セクターへの関与- | 中村 亮一 | 保険・年金フォーカス |
2024/09/18 | 曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その8)-リサージュ曲線・バラ曲線- | 中村 亮一 | 研究員の眼 |
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