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2023年01月13日
子育て中の人々のコロナ禍前後のマスクをつける頻度の変化
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1――はじめに
政府は、2022年5月から、屋外では季節を問わずマスクの着用は原則不要で、屋内でも会話をほとんど行わないような場合にもマスクの着用は不要と案内している1。しかし、2023年1月現在も、場面に関わらず、多くの人がマスクを着用しているのではないだろうか。本稿では、ニッセイ基礎研究所が子育て中の人々を対象に行った独自のWEBアンケート調査を用いて、子育て中の人々がコロナ禍前後のマスクをつける頻度の変化について、男女、年齢層、子どもの持病の有無別に確認した分析結果を紹介する。
結果を先取りしてお伝えすれば、コロナ禍前と2022年10月の調査時点を比べると、子育て中の人のマスクをつける頻度は大きく増加したが、特に、男性よりも女性、低年齢層(34歳以下)よりも高年齢層(55歳以上)の人々の間でマスクをつける頻度が増加した傾向が見られた。また、子どもに持病がある場合は、育児分担割合が大きいほど、外出時に常にマスクをつける頻度が増えた傾向が示唆された。
1 厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000942851.pdf, 2022/12/27アクセス)
結果を先取りしてお伝えすれば、コロナ禍前と2022年10月の調査時点を比べると、子育て中の人のマスクをつける頻度は大きく増加したが、特に、男性よりも女性、低年齢層(34歳以下)よりも高年齢層(55歳以上)の人々の間でマスクをつける頻度が増加した傾向が見られた。また、子どもに持病がある場合は、育児分担割合が大きいほど、外出時に常にマスクをつける頻度が増えた傾向が示唆された。
1 厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000942851.pdf, 2022/12/27アクセス)
2――調査概要
本分析に用いたデータは、ニッセイ基礎研究所が、全国の24~64歳男女で、小学生から中学生の同居の子のいる方を対象2に、2022年10月に実施したインターネット調査によって得られたものである3。調査回答は、有職者男性:無職者男性:有職者女性:無職者女性の割合が、なるべく全国の分布4に近づくよう配信した上で、ご協力いただける方から回収を行った5。回答数は1,000件である。
2 株式会社クロス・マーケティングのモニター会員
3 本研究は、公益財団法人かんぽ財団令和4年度の助成による成果である。記して深謝する。
4 令和3年国民生活基礎調査の児童有の人の有職者無職者の分布
5 配信時に分布を考慮したが、回収時の割付は行っていない。
2 株式会社クロス・マーケティングのモニター会員
3 本研究は、公益財団法人かんぽ財団令和4年度の助成による成果である。記して深謝する。
4 令和3年国民生活基礎調査の児童有の人の有職者無職者の分布
5 配信時に分布を考慮したが、回収時の割付は行っていない。
3――男女別マスクをつける頻度のコロナ禍前後の変化
6 「外出時」については、質問の際、以下のように注記をしている「買い物時や散歩等、目的に応じて異なる場合は、総合的な頻度でお答えください」
7 後の項の表1で紹介する回帰分析の結果からも、男性よりも女性の方が、外出時に常にマスクをつけている人の割合が大きい傾向が確認できる。
8 図2, 図4, 図6で、コロナ禍前と2022年10月現在でのnが異なっているのは、職場があると答えた人の数が変わっているからである。後の項の表2で紹介する回帰分析の結果からも、男性よりも女性の方が、職場で常にマスクをつけている人の割合が大きい傾向が確認できる。
4――年齢層別マスクをつける頻度のコロナ禍前後の変化
次に、外出時にマスクをつける頻度を年齢層別に確認したのが、図3である。最も低い年齢層である34歳以下の回答者の間では、その他の年齢層に比べて、コロナ禍前にマスクを「常につけている」と回答した人の割合は最も大きく、コロナ禍前にマスクを「つけていない」と回答した人の割合は最も小さい。しかし、2022年10月現在では、マスクを「常につけている」人の割合は、その他の年齢層に比べて最も小さくなっている。
一方で、最も高い年齢層である55歳以上の回答者の間では、コロナ禍前に外出時にマスクを「常につけている」と回答した人の割合はその他の年齢層に比べて最も小さく、コロナ禍前にマスクを「つけていない」と回答した人の割合はその他の年齢層に比べて最も大きい。しかし、2022年10月現在でマスクを「常につけている」人の割合は、34歳以下を除くその他の年齢層と同程度となっている。低年齢層よりも高年齢層が、コロナによって、外出時によりマスクをつけるようになったということが示唆されるかもしれない。
一方で、最も高い年齢層である55歳以上の回答者の間では、コロナ禍前に外出時にマスクを「常につけている」と回答した人の割合はその他の年齢層に比べて最も小さく、コロナ禍前にマスクを「つけていない」と回答した人の割合はその他の年齢層に比べて最も大きい。しかし、2022年10月現在でマスクを「常につけている」人の割合は、34歳以下を除くその他の年齢層と同程度となっている。低年齢層よりも高年齢層が、コロナによって、外出時によりマスクをつけるようになったということが示唆されるかもしれない。
同様に、職場でマスクをつける頻度について年齢層別に確認したのが、図4である。こちらからも、外出時にマスクをつける頻度の年齢層別で見られた傾向と同様の傾向が確認できる。つまり、低年齢層(34歳以下)ではコロナ禍前からマスクを常につけている人の割合が大きいが、2022年10月現在ではマスクを常につけている人の割合がその他の年齢層に比べて小さいことと、高年齢層(55歳以上)では、コロナ禍前はマスクをつけていない人の割合が大きいが、2022年10月現在では、マスクをつけている人の割合は34歳以下を除くその他の年齢層と同程度である傾向が見られる。
職場においても、低年齢層よりも高年齢層が、コロナによって、よりマスクをつけるように行動変容したことが示唆されるかもしれない。
職場においても、低年齢層よりも高年齢層が、コロナによって、よりマスクをつけるように行動変容したことが示唆されるかもしれない。
(2023年01月13日「基礎研レポート」)


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