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中国経済の見通し-2022年は前年比3.4%増、23年は同6.1%増

三尾 幸吉郎
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- 2022年4-6月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期比0.4%増と1-3月期(同4.8%増)を大幅に下回ることとなった。季節調整後の前期比では2.6%減(年率換算すれば10.0%減)と、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第1波が中国を襲った2020年1-3月期以来9四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んだ。
- 需要別に見ると、最終消費の不振が経済成長率を押し下げた主因だった。1-3月期のプラス寄与(+3.3ポイント)から一気にマイナス寄与(▲0.8ポイント)に転じている。不動産開発投資が足かせとなった総資本形成(≒投資)もプラス寄与を1ポイント減らした。純輸出は輸入が停滞した一方で輸出は堅調だったためプラス寄与を0.8ポイント増やした。
- インフレの状況を見ると、資源エネルギー高を背景に工業生産者出荷価格(PPI)が上昇したものの、消費者物価(CPI)の上昇は低位に留まっている。しかし、これまで下落していた豚肉価格が足元で下げ止まり、原油価格もひところよりは値下がりしたものの前年下半期の73ドル前後と比べるとまだまだ高いため、今後のCPIは一時3%台に乗せる見込みである。
- 22年の経済成長率は実質で前年比3.4%増、23年は同6.1%増と予想する(左下表)。7-9月期は前四半期に落ち込んだ反動で前年同期比3.8%増と見込む。10-12月期は反動増が収束するも、地方特別債増発などを織り込み同4.7%増と見込む(右下図)。その後は前期比年率5%程度の巡行速度(大規模な政策支援なしで無理なく成長できる水準)に回帰と予想する。
- 下方リスクとしては、中核都市でのロックダウン再発の発生確率が高い。COVID-19の第3波が襲来しないとは言い切れないからだ。上海のような中核都市がロックダウンに追い込まれる事態となれば、2022年の成長率は前年比2.5%増くらいに低下すると見られる。
(2022年08月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
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