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中国経済:景気指標の総点検(2022年夏季号)-4-5月期は前年比▲1%のマイナス成長も6月は回復へ
三尾 幸吉郎
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- 中国経済は2020年のコロナ禍で前年比2.2%増に落ち込んだあと、21年には同8.1%増とV字回復に成功した。しかし今年3月、その中国を2年ぶりにCOVID-19の“第2波”が襲った。そして上海市が3月28日に事実上のロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったことで大打撃を受け、中国経済は失速した。しかし、4月13日に新規感染がピークアウトし、5月中旬には「復工復産(職場復帰・生産再開)」に動きだし、6月1日にはロックダウンを解除することとなったため、5月以降は正常化に向かいつつある。但し、コロナ再発の恐れは拭いきれない。
- 現在の景気の方向性を表す景気評価総括表を見ると(下表)、需要面では消費の代表指標である小売売上高、投資の代表指標である固定資産投資、そして輸出の3指標が揃って5月には“×”から“〇”に転じた。他方、供給面の3指標はそれほど良くない。鉱工業生産は3ヵ月ぶりに“〇”に転じたものの、製造業PMI・非製造業PMIはともに“〇”に転じなかった。その他の景気指標を見ると、通貨供給量(M2)が8ヵ月連続で“〇”を維持したものの、その他の3指標(電力消費量、道路貨物輸送量、工業生産者出荷価格)は“×”だった。
- なお、景気インデックス(鉱工業生産、サービス業生産、建築業PMIを合成加工して毎月の実質成長率を推計したもの)は、4-5月期は前年同月比▲1%のマイナス成長だった。しかし、6月には復工復産が進展して生産が加速したのに加えて、インフラ投資で建築業が動きだしリベンジ消費にも動意が認められたため、6月はプラス成長に戻るだろう。但し、どの程度かを計量的に把握するのは難しいだけに、7月15日に発表される4-6月期成長率に注目したい。
(2022年06月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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