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日本の物価は持続的に上昇するか-消費者物価の今後の動向を考える
基礎研REPORT(冊子版)8月号[vol.305]

山下 大輔
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1―はじめに
* 本稿は、「日本の物価は持続的に上昇するか~消費者物価の今後の動向を考える」(22年5月、基礎研レポート)を更新・再構成したものであり、参考文献を含め、詳細は、ニッセイ基礎研究所のウェブサイトに掲載された同レポートを参照されたい。
2―エネルギー価格上昇は全般的な物価上昇につながるか
では、エネルギー価格の上昇による生産活動のコスト増は最終消費財に価格転嫁され、幅広い品目での物価上昇につながるだろうか。ここで重要になるのは、将来の物価上昇の予想(予想インフレ率)、企業の価格設定行動、消費者の価格引き上げに対する態度である。
また、食料については、「価格改定時期の同調性」があると指摘されており(日本銀行(2022))、他社が値上げするなら自社も値上げするといったように、値上げが値上げを呼ぶことで価格上昇が加速しやすい状況となる可能性がある。
また、賃金が上昇しない状況では、食料や光熱費、ガソリンなどの価格上昇により、実質的な所得の減少が生じて、それら以外の消費を行う余裕が失われることにつながりうる。
実際、消費者物価指数の各品目を必需品か否かに分類して作成された基礎的・選択的支出項目別指数によれば、エネルギーや食料の多くを含む基礎的支出項目は前年比で5%近く上昇している。それに比べて、選択的支出項目は、携帯電話通信料の大幅引き下げの影響を除いても限定的な上昇にとどまる。
3―まとめ
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