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- 消費者物価(全国22年6月)-コアCPI上昇率は、夏場以降に2%台後半へ
2022年07月22日
1.コアCPI上昇率は3ヵ月連続の2%台
![消費者物価指数の推移](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/71828_ext_15_0.jpg?v=1658450866)
物価高対策の影響でエネルギー価格の上昇率が鈍化したが、食料(生鮮食品を除く)の伸びが高まったことがコアCPIを押し上げた。
生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は前年比1.0%(5月:同0.8%)、生鮮食品が前年比6.5%と高めの伸びが続いていることから、総合は前年比2.4%(5月:同2.5%)と、コアCPIを上回る伸びが続いている。
![消費者物価指数(生鮮食品除く、全国)の要因分解](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/71828_ext_15_1.jpg?v=1658450866)
食料(生鮮食品を除く)は前年比3.2%(5月:同2.7%)となり、上昇率は前月から0.5ポイント拡大した。消費税率引き上げの影響を除けば、09年2月(前年比3.3%)以来の3%台となった。原材料価格の高騰を受けて、食用油(前年比36.0%)、マヨネーズ(前年比25.1%)、しょう油(前年比10.0%)などが前年比二桁の高い伸びとなっているほか、麺類(5月:前年比5.1%→6月:同9.7%)、菓子類(5月:前年比3.2%→6月:同4.0%)なども前月から伸びを高めた。
さらに、一般外食は、食料工業製品に比べて人件費の影響を受けやすいこともあり、相対的に低い伸びが続いていたが、原材料費の大幅上昇を価格転嫁する動きが広がり、3月の前年比1.0%から6月には同2.8%とここにきて上昇ペースが急加速している。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが1.27%(5月:1.31%)、食料(生鮮食品を除く)が0.75%(5月:0.61%)、携帯電話通信料が▲0.39%(5月:同▲0.39)、その他が0.58%(5月:0.58%)であった。
2.物価上昇品目の割合は7割に近づく
![消費者物価(除く生鮮食品)の「上昇品目数(割合)-下落品目数(割合)」](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/71828_ext_15_2.jpg?v=1658450866)
食料(生鮮食品を除く)の上昇品目割合は80%に近づいている(4月:72.6%→5月:73.7%→6月:77.1%)、原材料価格の高騰を販売価格に転嫁する動きはさらに広がっている。
3.コアCPI上昇率は夏場以降に2%台後半へ
これまでコアCPIを大きく押し上げてきたのは、原油高に伴うエネルギー価格の大幅上昇だったが、ここにきて上昇ペース加速の主因は食料品(除く生鮮食品)へと移りつつある。
![食料品の輸入物価、国内企業物価、消費者物価](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/71828_ext_15_4.jpg?v=1658450866)
物価高対策(燃料油価格激変緩和措置)がガソリン、灯油価格の上昇を抑えていることに加え、電気代、ガス代については、燃料費の変動を料金に上乗せする燃料費調整制度の上限に達した会社が増えているため、エネルギー価格の前年比上昇率は徐々に鈍化する公算が大きい。一方、円安による物価上昇圧力が高まる中で、食料品に加え、日用品や衣料品などでも価格転嫁の動きが広がることが見込まれる。
コアCPI上昇率は、夏場以降に2%台後半まで高まることが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年07月22日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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