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- 雇用関連統計22年5月-失業率は上昇したが、雇用情勢の改善傾向は続く
2022年07月01日
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1.失業率は前月から0.1ポイント上昇の2.6%
就業者数は前年差17万人増(4月:同24万人増)と2ヵ月連続で増加した。産業別には、宿泊・飲食サービスが前年差▲3万人減(4月:同10万人増)と5ヵ月ぶりに減少に転じたほか、製造業(4月:同▲19万人減→5月:同▲9万人減)、卸売・小売(4月:前年差▲31万人減→5月:同▲39万人減)、生活関連サービス・娯楽(4月:前年差▲12万人減→4月:同▲2万人減)も減少が続いたが、医療・福祉が前年差46万人増(4月:同47万人増)の大幅増加となった。
雇用者数(役員を除く)は前年に比べ45万人増(4月:同72万人増)と3ヵ月連続で増加した。雇用形態別にみると、正規の職員・従業員数が前年差39万人増(4月:同51万人増)と3ヵ月連続で増加し、非正規の職員・従業員数が前年差5万人増(4月:同21万人増)と4ヵ月連続で増加した。正規、非正規ともに前年と比べれば増加しているが、コロナ禍前の19年同月と比べると、正規の職員・従業員が73万人増となっているのに対し、非正規の職員・従業員は▲34万人減となっている。
雇用者数(役員を除く)は前年に比べ45万人増(4月:同72万人増)と3ヵ月連続で増加した。雇用形態別にみると、正規の職員・従業員数が前年差39万人増(4月:同51万人増)と3ヵ月連続で増加し、非正規の職員・従業員数が前年差5万人増(4月:同21万人増)と4ヵ月連続で増加した。正規、非正規ともに前年と比べれば増加しているが、コロナ禍前の19年同月と比べると、正規の職員・従業員が73万人増となっているのに対し、非正規の職員・従業員は▲34万人減となっている。
2.飲食店、宿泊業の休業率が低下
3.有効求人倍率の改善が続く

有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.08ポイント上昇の2.27倍となった。新規求職申込件数が前月比▲2.6%の減少となる一方、新規求人数が同0.3%と3ヵ月連続で増加した。
失業率は4ヵ月ぶりに悪化したが、2~4月の改善ペースが速かったことの反動もある。有効求人倍率、新規求人倍率の上昇が続いていることをあわせて考えれば、雇用情勢は改善していると判断される。中国のロックダウンの影響で供給制約が強まっていることもあり、製造業の生産活動は停滞しているが、まん延防止等重点措置の終了を受けて、外食、旅行などを中心に個人消費は回復している。行動制限が解除された状態が維持されれば、先行きも雇用情勢の改善傾向が続くことが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年07月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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