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世界の貧富格差、その現状・特徴と経済成長との関係
![](https://www.nli-research.co.jp/files/user/images/common/dummy_person.jpg?v=1705642362)
三尾 幸吉郎
1――世界における貧富格差の現状
2――日本および関係諸国における貧富格差の現状
まず我々が暮らす日本の状況を見ると(図表-3)、全人口の富は成人一人当たり平均2,566万円で世界全体の2.5倍の富を所有している。階層別に見るとボトム50%が世界全体の7.2倍、中間40%2が4.0倍、トップ10%が1.9倍、トップ1%が1.6倍となっており、世界全体に比べて貧富格差が小さいことが分かる。なお、韓国の富の分布は日本のそれに極めて近い構造となっている。
世界一の経済大国である米国の状況を見ると、全人口の富は成人一人当たり平均4,010万円で日本の1.6倍の富を所有している。階層別に見るとボトム50%が日本の0.4倍、中間40%が1.2倍、トップ10%が1.9倍、トップ1%が2.2倍となっており、日本に比べて貧富格差が大きいことが分かる。なお、米国のボトム50%の富は中国のそれをやや下回っている。
また、世界第2位の経済大国である中国の状況を見ると、全人口の富は成人一人当たり平均1,217万円で世界全体よりやや多く1.2倍だが、日本の半分(0.5倍)に留まる。階層別に見るとボトム50%が日本の0.5倍、中間40%が0.3倍、トップ10%が0.6倍、トップ1%が0.6倍となっており、日本に比べて中間40%の富の少なさが目立つ。
1 世界不平等研究所は当該レポートを公表するに当たって、所得と富の不平等に関するデータの利用可能性と質がその国によって異なるとして「不平等透明性指数(Inequality Transparency Index)」というインデックスを掲載している。このインデックスは0から20の範囲で示されており、数値が大きいほど透明度が高いと評価されていることになる。ここで取り上げた4ヵ国については、米国が15.5点、韓国が10.5点、中国が6.5点、日本が6.0点と評価されている。日本の評価が中国より低い点には留意する必要があるだろう。
2 中間40%はトップ10%とボトム50%を除いた残りの中間層のことを指している。
3――所得格差・水準、腐敗汚職と貧富格差
![(図表-4)所得格差と貧富格差](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/69943_ext_15_5.jpg?v=1642670733)
![(図表-5)一人当たりGDPと貧富格差](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/69943_ext_15_6.jpg?v=1642670733)
![(図表-6)腐敗汚職と貧富格差](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/69943_ext_15_7.jpg?v=1642670733)
3 腐敗認識指数(CPI)は100~0の間の値で示され、最も清潔な国は100、最も腐敗している国は0と評価される
4――貧富格差と経済成長
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年01月21日「基礎研レター」)
三尾 幸吉郎
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