2021年12月10日

米国経済の見通し-個人消費や在庫投資の積み上げから景気回復の持続を予想も、オミクロン株の影響を注視

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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■要旨
 
  1. 米国の21年7-9月期の実質GDP成長率(前期比年率)は+2.1%(前期:+6.7%)と前期から大幅に低下。個人消費が新型コロナの感染再拡大や半導体不足に伴う自動車関連消費の落ち込みもあって前期の+12.0%から+1.7%に低下して成長率を押し下げた。
     
  2. もっとも、足元は個人消費が堅調となっており、好調な年末商戦も見込まれているため、10-12月期の個人消費は前期から大幅に伸びが加速することが見込まれている。
     
  3. 一方、10月の消費者物価指数が31年ぶりの水準となるなど、インフレリスクが顕在化しており、米国経済に対する懸念材料となっている。
     
  4. 米国経済はオミクロン株をはじめ新型コロナの感染動向に大きく左右される。当研究所は見通し前提としてオミクロン株が当面はサービス消費や供給制約に影響するものの、ワクチン接種や薬剤の効果で春先移行は感染者数が減少、これら経済活動への影響が限定的とした。その上で、米国経済は労働市場の回復を背景に個人消費が堅調となるほか、在庫投資の積み上げに伴い、成長率(前年比)は21年に+5.7%となった後、22年が+3.8%と潜在成長率(2%)を大幅に上回る成長を予想する。23年は+2.4%に低下しよう。
     
  5. 金融政策はテーパリング終了時期を22年3月末、政策金利引き上げ開始時期を22年6月とし、22年および23年に年2回の利上げを予想する。
     
  6. 上記見通しに対するリスクは、新型コロナとインフレ高進、中間選挙を含む米国内政治が挙げられる。新型コロナ感染やインフレ高進の長期化、中間選挙で、上下院で民主党が敗北することで政治が機能不全となる場合には経済にネガティブとなろう。

 
(図表1)米国の実質GDP成長率(寄与度)
■目次

1.経済概況・見通し
  (経済概況)7‐9月期の成長率は個人消費の減速に伴い前期から大幅に低下
  (経済見通し)成長率は21年が前年比+5.7%、22年は+3.8%、23年は+2.4%を予想
2.実体経済の動向
  (労働市場、個人消費)新型コロナの感染が落ち着くことで労働供給の回復は加速へ
  (設備投資)回復基調は持続、供給制約に一部改善の兆し
  (住宅投資)住宅市場の回復に遅れ
  (政府支出)政府閉鎖や国債デフォルトリスクは当面回避、ビルドバックベター法の成立は
        不透明
  (貿易)海外の景気回復に伴い、外需の成長率寄与度はプラス転換へ
3.物価・金融政策・長期金利の動向
  (物価)インフレは23年に向けて低下を予想も、長期間高止まりする可能性
  (金融政策)22年3月末のテーパリング終了、22年6月の政策金利引き上げ開始を予想
  (長期金利)22年末2.0%、23年末2.2%を予想
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

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