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2021年06月18日
欧州大手保険Gの生命保険事業の収益構造について-2020年決算数値等に基づく結果報告-
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3|Generali
(1)営業利益の構造
Generaliは、生命保険事業の営業利益(operating result)の構造を地域別に開示しており、以下の図表の通りとなっている。
2019年から2020年にかけて、グループ全体では、「投資結果(Investment result)」は特にCOVID-19の影響を含む上半期における金融市場のマイナスの影響を受けて、1,985百万ユーロから1,432百万ユーロに27.9%減少し、「技術マージン(Technical margin)」のうちの「付加保険料&手数料5」は4,727百万ユーロから4.907百万ユーロに3.8%増加し、「技術的&その他結果(Technical & other result)」は1,441百万ユーロから1,318百万ユーロに8.5%減少した。一方で、「費用(Expenses)」は5,024百万ユーロから5,029百万ユーロとほぼ横ばいだった。
各国・各地域別に見てみると、イタリアやフランスが引き続き投資結果に一定程度以上依存する収益構造であるのに対して、ドイツは投資結果が殆どなく、付加保険料&手数料や技術的&その他結果に依存した構造となっている。これに対して、中東欧等(オーストリア、中東欧、ロシア)は、投資結果及び付加保険料&手数料や技術的&その他結果の全ての項目から、相対的に高い収益が得られている構造となっている。
(1)営業利益の構造
Generaliは、生命保険事業の営業利益(operating result)の構造を地域別に開示しており、以下の図表の通りとなっている。
2019年から2020年にかけて、グループ全体では、「投資結果(Investment result)」は特にCOVID-19の影響を含む上半期における金融市場のマイナスの影響を受けて、1,985百万ユーロから1,432百万ユーロに27.9%減少し、「技術マージン(Technical margin)」のうちの「付加保険料&手数料5」は4,727百万ユーロから4.907百万ユーロに3.8%増加し、「技術的&その他結果(Technical & other result)」は1,441百万ユーロから1,318百万ユーロに8.5%減少した。一方で、「費用(Expenses)」は5,024百万ユーロから5,029百万ユーロとほぼ横ばいだった。
各国・各地域別に見てみると、イタリアやフランスが引き続き投資結果に一定程度以上依存する収益構造であるのに対して、ドイツは投資結果が殆どなく、付加保険料&手数料や技術的&その他結果に依存した構造となっている。これに対して、中東欧等(オーストリア、中東欧、ロシア)は、投資結果及び付加保険料&手数料や技術的&その他結果の全ての項目から、相対的に高い収益が得られている構造となっている。
5 ここでは、「収益マージン(Margin on revenues)」及び「ユニット/インデックス・リンク手数料(Unit/indexed linked fees)」の合計を「付加保険料&手数料」としている。
4|Aviva
(1)営業利益の構造
Avivaは、生命保険事業の継続事業全体の営業利益(operating profit)の構造を地域別に開示しており、以下の図表の通りとなっている。
2019年から2020年にかけて、継続事業全体では、「新契約収入(New business income)」が1,320百万ポンドから1,205百万ポンドに8.7%減少し、「保険引受マージン(Underwriting margin)」が606百万ポンドで横ばいだった。また、「投資リターン(Investment return)」は2,588百万ポンドから2,842百万ポンドに9.8%増加した。「費用(Expenses)」は2,353百万ポンドから2,366百万ポンドに0.5%増加した。なお、「その他」には、DAC(繰延新契約費)、モデルや前提の変更、一時的な項目等が含まれており、英国における長寿死亡率の変更がプラスに働いているが、グループ全体では549百万から403百万ポンドに26.6%減少した。以上の結果として、全体の営業利益は2,766百万ポンドから2,751百万ポンドに0.5%減少した。
地域別には、「英国&アイルランド(生保)」と「Manage-for-value」の内訳を示している。
(1)営業利益の構造
Avivaは、生命保険事業の継続事業全体の営業利益(operating profit)の構造を地域別に開示しており、以下の図表の通りとなっている。
2019年から2020年にかけて、継続事業全体では、「新契約収入(New business income)」が1,320百万ポンドから1,205百万ポンドに8.7%減少し、「保険引受マージン(Underwriting margin)」が606百万ポンドで横ばいだった。また、「投資リターン(Investment return)」は2,588百万ポンドから2,842百万ポンドに9.8%増加した。「費用(Expenses)」は2,353百万ポンドから2,366百万ポンドに0.5%増加した。なお、「その他」には、DAC(繰延新契約費)、モデルや前提の変更、一時的な項目等が含まれており、英国における長寿死亡率の変更がプラスに働いているが、グループ全体では549百万から403百万ポンドに26.6%減少した。以上の結果として、全体の営業利益は2,766百万ポンドから2,751百万ポンドに0.5%減少した。
地域別には、「英国&アイルランド(生保)」と「Manage-for-value」の内訳を示している。
5|Prudential
(1)営業利益の構造
Prudentialは、営業利益(operating profit)の構造を地域別に開示しており、以下の図表の通りとなっている。
グループ全体の「スプレッド収入(Spread income)」は、低金利環境下での利回り低下等により、毎年低下してきているが、2020年は94bps(2019年 111bps、2018年 145bps)となった。これにより、スプレッド収入は2019年の963百万ドルから15.2%減少(比較可能ベースでも、ほぼ同様の961百万ポンドから15.0%減少、以下同様)して、817百万ドルとなった。
一方で、「手数料収入(Fee income)」は、3,578百万ドルから3,668百万ドルに2.5%増加(3,575百万ドルから2.6%増加)し、「保険引受けマージン(Insurance margin)」が3,561百万ドルから3,946百万ドルに10.8%増加(3,551百万ドルから11.1%増加)した。「収益マージン(Margin on revenues)6」は、3,035百万ドルから2,936百万ドルに3.3%減少(3,032百万ドルから3.2%減少)した。「費用(Expenses)」は5,402百万ドルから5,479百万ドルに1.4%増加(5,400百万ドルから1.5%増加)した。
(1)営業利益の構造
Prudentialは、営業利益(operating profit)の構造を地域別に開示しており、以下の図表の通りとなっている。
グループ全体の「スプレッド収入(Spread income)」は、低金利環境下での利回り低下等により、毎年低下してきているが、2020年は94bps(2019年 111bps、2018年 145bps)となった。これにより、スプレッド収入は2019年の963百万ドルから15.2%減少(比較可能ベースでも、ほぼ同様の961百万ポンドから15.0%減少、以下同様)して、817百万ドルとなった。
一方で、「手数料収入(Fee income)」は、3,578百万ドルから3,668百万ドルに2.5%増加(3,575百万ドルから2.6%増加)し、「保険引受けマージン(Insurance margin)」が3,561百万ドルから3,946百万ドルに10.8%増加(3,551百万ドルから11.1%増加)した。「収益マージン(Margin on revenues)6」は、3,035百万ドルから2,936百万ドルに3.3%減少(3,032百万ドルから3.2%減少)した。「費用(Expenses)」は5,402百万ドルから5,479百万ドルに1.4%増加(5,400百万ドルから1.5%増加)した。
6 主として、保険料から新契約費や管理経費をカバーするために控除される金額等
(2021年06月18日「基礎研レポート」)
中村 亮一のレポート
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