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2021年05月26日
欧州大手保険Gの2020年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況-
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5|Aegon
(1)全体の状況
2020年の新契約価値(MCVNB:Market consistent value of new business)は、2019年に比べて43.5%と大きく減少して、2.62億ユーロとなった。
2020年上半期は、主に米国の変額年金が、金利が大幅に低下し、マージンがマイナスになったことから、2019年上半期に比較して60%減少して1.07億ユーロになった。
2020年下半期は、2019年下半期と比較して20%減少して1.55億ユーロになった。これは主に、COVID-19のパンデミックに一部起因する英国での販売量の減少によるものである。 米国の変額年金は、価格改定後に改善し、規模と商品構成の変更につながった。 これは、健康及び退職金制度事業における販売量の減少及び更新された仮定によって部分的に相殺された。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、2019年に比べて0.2%ポイント低下して、0.8%となった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料(APE))は、2019年に比べて3.7%ポイント低下して、9.9%となった。
新契約保険料現在価値(PVNBV)は、2019年の大幅増加の反動もあり、2019年に比べて29.6%と大幅に減少して335.85億ポンドとなった。新契約年換算保険料(APE)も、2019年に比べて22.0%と大幅に減少して26.59億ユーロとなった。
(1)全体の状況
2020年の新契約価値(MCVNB:Market consistent value of new business)は、2019年に比べて43.5%と大きく減少して、2.62億ユーロとなった。
2020年上半期は、主に米国の変額年金が、金利が大幅に低下し、マージンがマイナスになったことから、2019年上半期に比較して60%減少して1.07億ユーロになった。
2020年下半期は、2019年下半期と比較して20%減少して1.55億ユーロになった。これは主に、COVID-19のパンデミックに一部起因する英国での販売量の減少によるものである。 米国の変額年金は、価格改定後に改善し、規模と商品構成の変更につながった。 これは、健康及び退職金制度事業における販売量の減少及び更新された仮定によって部分的に相殺された。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、2019年に比べて0.2%ポイント低下して、0.8%となった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料(APE))は、2019年に比べて3.7%ポイント低下して、9.9%となった。
新契約保険料現在価値(PVNBV)は、2019年の大幅増加の反動もあり、2019年に比べて29.6%と大幅に減少して335.85億ポンドとなった。新契約年換算保険料(APE)も、2019年に比べて22.0%と大幅に減少して26.59億ユーロとなった。
6|Zurich
(1)全体の状況
生命保険事業の2020年の新契約価値(NBV)は、2019年に比べて19.3%減少(為替や買収や売却の調整を行った「同一条件ベース」では16%減少、以下同様)して、7.88億ドルとなった。これは、新契約の規模低下、EMEA(欧州・中東・アフリカ)での利回りの低下による不利な経済的仮定の変更及び主にオーストラリアと日本に影響を与える営業上の仮定の変更による。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値)は、2019年に比べて0.2%ポイント低下して、2.8%となった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料)は、2019年に比べて0.7%ポイント(0.9%ポイント)低下して、25.1%となった。
新契約保険料現在価値(PVNBP)は、13.5%減少(現地通貨ベースでは10.6%減少、以下同様)して、315.10億ドルとなり、新契約年換算保険料(APE)は、2019年に比べて16.3%(11.7%)減少して、36.25億ドルとなった。これは主に、COVID-19の発生に関連する政府による制限と、2019年の例外的なレベルからのいくつかの市場での予想される減少によるものだった。
(1)全体の状況
生命保険事業の2020年の新契約価値(NBV)は、2019年に比べて19.3%減少(為替や買収や売却の調整を行った「同一条件ベース」では16%減少、以下同様)して、7.88億ドルとなった。これは、新契約の規模低下、EMEA(欧州・中東・アフリカ)での利回りの低下による不利な経済的仮定の変更及び主にオーストラリアと日本に影響を与える営業上の仮定の変更による。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約保険料現在価値)は、2019年に比べて0.2%ポイント低下して、2.8%となった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約価値/新契約年換算保険料)は、2019年に比べて0.7%ポイント(0.9%ポイント)低下して、25.1%となった。
新契約保険料現在価値(PVNBP)は、13.5%減少(現地通貨ベースでは10.6%減少、以下同様)して、315.10億ドルとなり、新契約年換算保険料(APE)は、2019年に比べて16.3%(11.7%)減少して、36.25億ドルとなった。これは主に、COVID-19の発生に関連する政府による制限と、2019年の例外的なレベルからのいくつかの市場での予想される減少によるものだった。
新契約年換算保険料(APE)と新契約マージン(対APE)の地域別内訳は、以下の図表の通りとなっている。
新契約マージン(対APE)については、アジア・太平洋が47.9%で高い水準となっている。2019年との比較では、アジア・太平洋以外の地域では上昇した。
APEについては、2019年と比較して同様の基準で、EMEAでは12%減少した。これは主に、前年の例外的な売上高に続くスイスの企業年金契約の減少と、一部は年間を通じてのCOVID-19によるロックダウンの結果として、イタリア、ポルトガル及びスペインのBanco Sabadellとの合弁事業における貯蓄契約の減少による。ラテンアメリカでは、Zurich Santander でのユニットリンク及び個人保障契約の売上高の増加が、チリでの販売量の減少及び地域全体の企業保障契約によって部分的に相殺された結果として、8%増加した。アジア・太平洋地域では、主にCOVID-19の発生により、日本、マレーシア、インドネシアでの販売量が減少したことを反映して、21%減少した。北米では、企業保障契約の売上が減少し、個人保障契約の売上が減少したため、8%減少した。
新契約マージン(対APE)については、アジア・太平洋が47.9%で高い水準となっている。2019年との比較では、アジア・太平洋以外の地域では上昇した。
APEについては、2019年と比較して同様の基準で、EMEAでは12%減少した。これは主に、前年の例外的な売上高に続くスイスの企業年金契約の減少と、一部は年間を通じてのCOVID-19によるロックダウンの結果として、イタリア、ポルトガル及びスペインのBanco Sabadellとの合弁事業における貯蓄契約の減少による。ラテンアメリカでは、Zurich Santander でのユニットリンク及び個人保障契約の売上高の増加が、チリでの販売量の減少及び地域全体の企業保障契約によって部分的に相殺された結果として、8%増加した。アジア・太平洋地域では、主にCOVID-19の発生により、日本、マレーシア、インドネシアでの販売量が減少したことを反映して、21%減少した。北米では、企業保障契約の売上が減少し、個人保障契約の売上が減少したため、8%減少した。
(参考)Prudential plc5
(1)全体の状況
Prudentialにとって、新契約利益とエンベディッドバリューにおいて、最も重要な市場は香港で、2020年業績は、香港の中国本土の個人への販売が中国本土との国境の閉鎖により大幅に削減されたことから、大きな影響を受けている。
2020年の新契約利益(New Business Profit:NBP)は、2019年に比べて36.4%(比較ベースで36.5%、以下同様)と大きく減少して、28.02億ドルとなった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約利益/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、2019年に比べて2%ポイント低下して、7%となった。また、新契約マージン(対APE)は、2019年に比べて10%ポイント低下して、50%となった。
2019年に比べて、新契約保険料現在価値(PVNBP)は20.7%(20.8%)減少して408.16 億ドルとなり、新契約年換算保険料(APE)は、23.9 %(24.0%)減少して、56.19億ドルとなった。
(1)全体の状況
Prudentialにとって、新契約利益とエンベディッドバリューにおいて、最も重要な市場は香港で、2020年業績は、香港の中国本土の個人への販売が中国本土との国境の閉鎖により大幅に削減されたことから、大きな影響を受けている。
2020年の新契約利益(New Business Profit:NBP)は、2019年に比べて36.4%(比較ベースで36.5%、以下同様)と大きく減少して、28.02億ドルとなった。
新契約マージン(New Business Margin)(=新契約利益/新契約保険料現在価値(PVNBP))は、2019年に比べて2%ポイント低下して、7%となった。また、新契約マージン(対APE)は、2019年に比べて10%ポイント低下して、50%となった。
2019年に比べて、新契約保険料現在価値(PVNBP)は20.7%(20.8%)減少して408.16 億ドルとなり、新契約年換算保険料(APE)は、23.9 %(24.0%)減少して、56.19億ドルとなった。
会社は、市場全体でのCOVID‐19パンデミックの継続的な影響にもかかわらず、新契約利益とAPEに関して比較的回復力のある業績を達成した、としている。香港以外では、APEが6%減少して、新契約利益も4%減少した。香港では、主にCOVID-19関連の規制が国境を越えた販売に影響を与えた結果、新契約利益は62%減少し、APEは63%減少した。
5 Prudentialについては、2019年10月に、アジアと米国で保険事業を展開するPrudential plcと欧州で保険事業と投資管理事業を展開するM&G plcに分割されている。その意味で、Prudential plcは欧州の保険会社ではないが、米国やアジアにおいて重要な位置付けを有している会社であることから、(参考)として、その数値を掲載している。
5 Prudentialについては、2019年10月に、アジアと米国で保険事業を展開するPrudential plcと欧州で保険事業と投資管理事業を展開するM&G plcに分割されている。その意味で、Prudential plcは欧州の保険会社ではないが、米国やアジアにおいて重要な位置付けを有している会社であることから、(参考)として、その数値を掲載している。
Prudentialは、アジアの主要各国・地域において、有意なAPEを計上してきている。
これまで、中国、シンガポール、台湾、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム等の各国・地域で高い成長率を確保してきたが、2020年は、台湾、タイ、ベトナム以外ではマイナス進展となっている。特に香港が大幅に減少して2019年の4割未満となっている。これにより、2019年と比較してアジアのAPEは28%減少した。ただし、APEで3番目に大きい中国市場では、バンカシュアランスによるAPEが2019年と比較して34%増加した。制限が解除されたため、エージェンシーのAPEは、第2四半期には15%リバウンドし、下半期のAPEは前年同期と比較して4%増加した。
これまで、中国、シンガポール、台湾、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム等の各国・地域で高い成長率を確保してきたが、2020年は、台湾、タイ、ベトナム以外ではマイナス進展となっている。特に香港が大幅に減少して2019年の4割未満となっている。これにより、2019年と比較してアジアのAPEは28%減少した。ただし、APEで3番目に大きい中国市場では、バンカシュアランスによるAPEが2019年と比較して34%増加した。制限が解除されたため、エージェンシーのAPEは、第2四半期には15%リバウンドし、下半期のAPEは前年同期と比較して4%増加した。
(3)新契約利益(NBP)の地域別内訳
新契約利益(NBP)の地域別内訳は、以下の図表の通りである。
COVID-19の影響による販売の低迷でアジアが38%のマイナス進展、販売低下と低金利の影響で米国が32%のマイナス進展となったことから、全体でも36%の大幅なマイナス進展となった。構成比では、香港のシェアが大幅に低下したが、その他のアジアの国々のシェアは上昇している。
中国の新契約利益は3%増加して2.69億ドルになり、新契約利益率が向上した。これは、エージェンシーチャネルにおいて売上の53%を占める保障商品へのフォーカスによって主導され、その結果、エージェンシーチャネルのマージンンは2019年の74%から85%に上昇した。
なお、Prudentialは、2020年の第2四半期以降、アジアでの売上高は四半期ごとに増加しているが、全ての市場での継続的な成功は、COVID-19の症例数と種類の変化及びワクチンロールに対する政府の反応に一部依存している、と述べている。
新契約利益(NBP)の地域別内訳は、以下の図表の通りである。
COVID-19の影響による販売の低迷でアジアが38%のマイナス進展、販売低下と低金利の影響で米国が32%のマイナス進展となったことから、全体でも36%の大幅なマイナス進展となった。構成比では、香港のシェアが大幅に低下したが、その他のアジアの国々のシェアは上昇している。
中国の新契約利益は3%増加して2.69億ドルになり、新契約利益率が向上した。これは、エージェンシーチャネルにおいて売上の53%を占める保障商品へのフォーカスによって主導され、その結果、エージェンシーチャネルのマージンンは2019年の74%から85%に上昇した。
なお、Prudentialは、2020年の第2四半期以降、アジアでの売上高は四半期ごとに増加しているが、全ての市場での継続的な成功は、COVID-19の症例数と種類の変化及びワクチンロールに対する政府の反応に一部依存している、と述べている。
(2021年05月26日「基礎研レポート」)
中村 亮一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/02 | 曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- | 中村 亮一 | 研究員の眼 |
2025/04/25 | 欧州大手保険グループの2024年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況- | 中村 亮一 | 基礎研レポート |
2025/04/14 | 欧州大手保険グループの地域別の事業展開状況-2024年決算数値等に基づく現状分析- | 中村 亮一 | 基礎研レポート |
2025/04/01 | 欧州大手保険グループの2024年末SCR比率等の状況-ソルベンシーII等に基づく数値結果報告と資本管理等に関係するトピック- | 中村 亮一 | 基礎研レポート |
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