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- 景気ウォッチャー調査(21年3月)~緊急事態宣言解除により景況感改善も、感染再拡大に強い警戒感
1.景気の現状判断DIは2か月連続で上昇、先行き判断DIは20年11月以来の低下
2.景気の現状判断DI(季節調整値):全ての内訳で上昇


<緊急事態宣言解除の影響に関する主なコメント>
- 緊急事態宣言が解除されてから5~6名での飲み会の予約がちらほら入るようになっている。ただし、よくしゃべっている客を見ていると、また新型コロナウイルスの感染者数が増えるのではないかという心配もある。(南関東(東京都)・一般レストラン)
- 関西3府県の緊急事態宣言が解除され、気候も良くなってきたことで、行楽地への人出が増加しており、来客数も増加傾向にある。(中国・観光名所)
- 緊急事態宣言が解除されているが、巣籠り消費、ステイホーム、学校の休校等新型コロナウイルスの感染状況に慣れも出てきて、前年のような大型スーパーマーケットでの買物需要はない。(九州・スーパー)
- 沖縄県独自の緊急事態宣言が前月末で解除され、人通りも前月と比べものにならないくらいにぎわっている。また来客数も2倍近く増加している。(沖縄・コンビニ)
<Go Toキャンペーン(Go To トラベルの一時停止含む)の影響に関する主なコメント>
- 首都圏の緊急事態宣言が解除されたとはいえ、Go To Travelキャンペーンが再開するめども立っていないことから、旅行需要は以前と変わらずほとんどみられない。また、ワクチン接種がいつまでに一般市民まで行き渡るのかも未定なことから、客の旅行意欲が湧かない状況にある。(北海道・旅行代理店)
- 観光地では人出が増えているという報道があるが、旅行会社の利用にはつながっていない。Go Toキャンペーンのインパクトが強すぎて、Go Toキャンペーン停止期間の割引のない商品には魅力を感じてもらえない。(東海・旅行代理店)
- 卒業、入学などの祝いで外食利用の機会が増加する時期とGo To Eatキャンペーンの利用期間が重なり、売上が大幅に増加している。(中国・一般レストラン)
3.景気の先行き判断DI(季節調整値):雇用関連を除いて低下
<緊急事態宣言解除やワクチン接種による経済活動の再活性化やGo To トラベル再開への期待に関する主なコメント>
- 新型コロナウイルスの影響の外出自粛などにより客の買物需要が高まっており、緊急事態宣言の解除をきっかけに少しずつ外出や買物が増えてくると予想される。(東海・百貨店)
- 緊急事態宣言の解除や、東京オリンピックの開催と、景気回復のチャンスは続くため、それらを活かして消費者がお金を使いたくなる状況を早く整えてほしい。1日も早いGo Toキャンペーンの復活を望む。(近畿・テーマパーク)
- 新型コロナウイルス、特に変異種の感染状況とワクチン接種の実施状況によって変わってくるが、現状では首都圏の緊急事態宣言解除に伴って、春から初夏に掛けての旅行需要の回復が大いに期待できる。特に北海道は国内旅行の目的地として注目されている様子がうかがえる。(北海道・旅行代理店)
- 新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、東京オリンピック開催が確定すれば、客の動きが活発になり、安近短ではあるが、消費も上向いてくる。(中国・その他小売店)
- 新型コロナウイルスの感染再拡大の懸念もあるが、ゴールデンウィークや夏休み、秋の行楽シーズンと、12月頃まではこのまま経済活動も少しずつ上がっていく。ワクチン接種が早く実施されるようになれば、経済の回復もその分早まる。(南関東(東京都)・一般レストラン)
<感染再拡大の懸念に言及した主なコメント>
- 最近の新型コロナウイルス感染者の急増と変異種の増加による不安に加え、沖縄県の緊急事態宣言再発出による自粛がありうるのではないだろうか。(沖縄・食料品製造業)
- 首都圏で緊急事態宣言が解除されたが、当県での感染者数激増により県独自の緊急事態宣言が発出され、飲食店に向け営業時間短縮の協力要請がなされており、先がみえない。(東北・タクシー運転手)
- 緊急事態宣言の解除により、少しは明るい兆しが見え始めたが、新型コロナウイルスの感染のリバウンドによる悪化の懸念が出てきた。各地で感染第4波の動きが見られるようになり、今後の見通しが立たない状況である。(近畿・都市型ホテル)
<東京オリンピック・パラリンピックに関する主なコメント>
- 新型コロナウイルスの影響が収まることを前提に考えた場合、東京オリンピック効果で、一定の需要や消費喚起は見込めるが、悪化した場合は逆に働く。(北関東・通信会社)
- 東京オリンピックが開催されても、客は世界中どころか日本中からも来ないと思うので、東京近県でそれを当てにしていたところは、ホテルも飲食業もかなり厳しくなるのではないか。その後も何かきっかけがない限り、経済復興はまず無理ではないかと思うので、今後も飲食業は厳しい。(南関東・一般レストラン)
- 新型コロナウイルスの影響で大きな変動があったが、少しでも収束し東京オリンピックが行われるという期待感もあり、今後人の動向が多くなる。(九州・商店街)
<半導体不足に言及した主なコメント>
- 半導体不足の問題がいつ収束するか分からないため、自動車業界では当分景気は良くなることはないと考えている。(東海・輸送用機械器具製造業)
- 自動車用半導体の不足による減産の影響で、新車販売台数の減少が長引く可能性が高い。(東海・乗用車販売店)
3月調査の結果は、緊急事態宣言解除などによる現状の景況感改善と感染再拡大への強い警戒感を示すものであった。調査期間以降も一部の地域では感染者数の顕著な増加がみられており、大阪府などに対して「まん延防止等重点措置」が適用された。感染再拡大が続くようであれば、景況感が再び悪化することも考えられる。今後も、感染動向やそれへの対応策に景況感が左右される状況は続くだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年04月09日「経済・金融フラッシュ」)
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