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健康関連サービス・商品、継続利用のポイントは?
保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子
井上 智紀
1――健康関連サービス・商品の利用状況
男女を比較すると、「サプリメント利用」「検診サービス」「アプリ・助言サービス」「スポーツ施設利用」で女性が男性を上回った。年齢別にみると、何かしらのサービス・商品を利用しているのは高齢者に多かった。利用者についてみると、「サプリメント利用」「検診サービス」「スポーツ施設利用」は60歳代で、「アプリ・助言サービス」「睡眠・運動療法系」は20歳代で利用が多かった。
2 詳細は、図表5を参照のこと。
2――継続利用の理由
これらの継続理由は、因子分析によって「利便性」「娯楽性」「実効性」の3種類に分類することができた(図表3)。「利便性」は記録や保管の簡単さや状態の把握。・体調管理のしやすさ等サービス利用上の利便性に対する評価を表すもの、「娯楽性」は一緒に協力しあえる友人ができることや楽しさ、ポイントが付与されることなどサービス利用に伴って副次的に生じる娯楽性の高さに対する評価を表すもの、「実効性」はサービス利用の本質的な効果や継続することの価値を実感できることについての評価を表すものと解釈できる。図表2では、上位に実効性、次いで利便性が重視されていた。
3――1年以上の継続利用への寄与要因
その結果、1年以上の継続利用にプラスに寄与する要素として、利用しているサービス・商品が「サプリメントの利用」であること、継続理由が「実効性」で1年以上継続している傾向があった。サービス・商品と継続理由との交差項をみると、食事療法系は「娯楽性」で、スポーツ施設利用では「利便性」と「実効性」で、それぞれ継続する傾向があった。なお、費用は1年以上継続するかどうかへ影響していなかった。年齢が高いほど継続しており、男性より女性で継続する傾向があった。
4――効果継続の実感を与えるサービス
今回の調査では、どういったサービス・商品においても、効果を感じられることや継続している実感を得られることといった「実効性」が継続のためには重要であることが改めて確認できた。サービス・商品との組み合わせでみると、これに加えて、食生活の改善のための料理教室や身体や健康に関する情報提供等の食事療法系では、協力しあえる友人ができる、楽しい、ポイントが貯まるといった「娯楽性」が、また、スポーツ施設利用においては、記録・保管が簡単、状況が把握しやすい等の「利便性」が求められることがわかった。
健康状態の改善には時間を要するため、改善効果を感じる前に利用を中断してしまうケースも多いであろう。それまでの期間において、「娯楽性」や「利便性」の要素にも留意しつつ、いかに飽きさせずに継続の実感を与えることができるかがポイントとなるであろう。
(2020年11月10日「基礎研レター」)
井上 智紀
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